2021.10.02

スプリンターズSは「暴走娘」の参戦で激流必至。無欲の後方一気馬が大穴をあける

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 僕が現役時、カルストンライトオでGIスプリンターズS(中山・芝1200m)を勝ったのは2004年。もう17年も前のことになります。時が経つのは本当に早いものです。もしかすると、そのことを覚えているファンの方々も少なくなってきているのかもしれませんね。

 でも、僕自身は当時のことを今なお、鮮明に覚えています。その前日の昼間は晴れていて良馬場だったのですが、夜から雨となってレース当日の芝コースは朝から重馬場。雨はそのまま降り続いて、昼には不良馬場となっていました。

 その日の僕の騎乗は、このGIレースのみ。いわゆる"1頭入魂"でした。そのため、事前に馬場を確認することは当然できません。しかし、騎乗馬であるカルストンライトオは馬場がどんな状況であっても"戦法"はただひとつ。この馬の競馬である逃げに徹するだけでした。

 それが、好結果につながったひとつの要因であることは間違いありません。もし差しタイプの馬だったら、コースのどの辺りが伸びやすいのかとか、いろいろと気にする必要があったのでしょうからね。

 さて、今年のスプリンターズS(10月3日)。台風が直撃しなかったことは幸いですが、その影響がどの程度あるのか、考慮しておくことは必要でしょう。コンマ1秒を争うスプリント戦。速い馬場となるのか、多少時計のかかる馬場になるのか、予想をするうえでは重要なファクターになりますから。

 また、このレースにおいては自分の経験上、どうしても逃げ馬と、その馬に乗る騎手に目がいってしまいます。

 まずはモズスーパーフレア(牝6歳)。ここまでずっと逃げを貫いてきているので、いきなり別の乗り方をすることは考えられません。今年もおそらく逃げることになるでしょう。ただ、ビアンフェ(せん4歳)もできればハナをきりたい馬。そうなると、昨年同様、熾烈な逃げ争いが展開されることになりそうですね。

 そうしたなか、気になるのはメイケイエール(牝3歳)の存在。今回はテン乗りで池添謙一騎手が手綱をとることになりますが、誰が乗っても抑えが利かずに持っていかれてしまいます。つまり、今回はこの馬も先手争いに加わってくる可能性が高いです。とすると、前の争いは一段と激しさを増して、逃げ馬にとっては相当苦しい展開が予想されます。

 そんな苛烈な逃げ争いを尻目に、クリストフ・ルメール騎手が騎乗するレシステンシア(牝4歳)は、そこから少し離れた2列目の先頭あたりで、虎視眈々と抜け出すタイミングを図る感じになるのでしょうか。そして、それをマークするような形でピクシーナイト(牡3歳)、ダノンスマッシュ(牡6歳)、クリノガウディー(牡5歳)ら有力馬が続いていく形になっていくのでしょう。