神戸新聞杯、世代の頂点に立ったシャフリヤールを脅かす「新星」の登場はあるか (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

 もともと大事に使われてきており、ひと夏を越したことによる成長も見込めます。相手関係を考えれば、ここでは無様な競馬をしてほしくありませんし、個人的な心情としても、ダービー馬にはその称号に相応しい走りを見せてほしいと思っています。

 シャフリヤールに続くのは、ステラヴェローチェ(牡3歳)。手前味噌ですが、ダービー時にはこのコラムで穴馬(9番人気3着)として取り上げた存在です。皐月賞、ダービーとクラシック二冠で連続3着。この実績は並大抵のものではありませんから、もはや穴馬ではなく、実績馬として位置づけるのが妥当でしょう。

 ただ、皐月賞、ダービーのレースぶりを改めて振り返ってみると、漁夫の利を得たというか、ともに勝ちにいった馬たちがバテたところをかわしての3着といった感があったことは否めません。対シャフリヤールということを考えれば、さすがに分が悪いでしょう。さらに、追う立場から追われる立場に変わって、この舞台で勝ちきるにはややインパクトに欠ける印象があります。

神戸新聞杯をステップにして今後の飛躍が期待されるキングストンボーイ神戸新聞杯をステップにして今後の飛躍が期待されるキングストンボーイこの記事に関連する写真を見る さて、少頭数での争いのため、今年の神戸新聞杯で馬券の配当的な妙味を見込むのは少々厳しい感じがします。それでも、キングストンボーイ(牡3歳)を今回の「ヒモ穴馬」として取り上げたいと思います。 

 来年の2月をもって引退となる名伯楽の藤沢和雄調教師の管理馬。春にはGII青葉賞(5月1日/東京・芝2400m)で2着となって、ダービー出走の権利を得ました。

 普通なら、そのままダービーに出走していたと思いますし、藤沢調教師自身にとって最後のダービー出走のチャンスであることを考えればなおさら、無理をさせてでもダービーに送り出しても不思議のないところ。しかしながら、馬の将来を考えて出走を見送り。藤沢調教師らしい選択だと感じました。

 そうして、大事に育てられてきたキングストンボーイ。各メディアの報道でも伝えられていますが、「秋になってよくなる」という陣営の思惑どおり、調教では成長を感じさせる動きを見せているそうです。

 今回、世代の大将格と相対することは、現状の同馬の力を推し量ることができます。陣営としてはそれだけ、菊花賞へ向けて期するものがあるのでしょう。およそ5カ月の休養明けとなりますが、ここでどんなレースを見せてくれるのか、楽しみです。

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