2021.04.14

皐月賞、ダービーの行方を占う3歳牡馬番付。アンカツはどう読んだ?

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

小結:ラーゴム(牡3歳)
(父オルフェーヴル/戦績:4戦2勝、2着2回)

 きさらぎ賞の前は「どの程度の馬かな?」と思って見ていたけど、レースではかなり強い競馬を見せて勝った。あのレースぶりと、4戦2勝、2着2回というここまでの安定した成績を評価して、小結に。

 もうひとつパッとしない印象があって、比較的地味な存在ではあるけど、それがこの馬の個性かもしれない。きさらぎ賞でも、最後にすごい脚を見せた2着のヨーホーレイクのほうが目立っていたからね。

 ともあれ、ホープフルS3着という実績のある、そのヨーホーレイクに際どく迫られながらも、最後まで抜かせなかった。あの勝負根性は見どころがある。皐月賞でも、その勝負根性が生きるようなレース展開になれば、この馬にも出番があるかも。


前頭筆頭:ヨーホーレイク(牡3歳)
(父ディープインパクト/戦績:4戦2勝、2着1回、3着1回)

 きさらぎ賞でラーゴムにクビ差負け。その結果を受けて、この馬を前頭筆頭とした。

 この馬はずっと強いところと戦ってきて崩れていない。そこは評価したい。ただ、勝ち切れない。今のところ、勝利という結果を出すためには、展開の助けが必要になるだろうね。

 要するに、いい脚は持っているけど、まだ自分から動いて、前の馬を捕まえ切るほどの力がついていない、ということ。そのため、いつも仕掛けが一歩遅れて、その分、"届かない"といったレースばかり繰り返している。

 とはいえ、一発ありそうな雰囲気は常に秘めている。今年はかなりの混戦模様ゆえ、この馬にも浮上のチャンスは大いにあると思う。

          ◆          ◆          ◆

 この他にも、注目していた馬はいる。例えば、ボーデン(牡3歳/父ハービンジャー)。芝1800m戦を速い時計で勝っていることもあって、スプリングSでは相当期待していた。ところが、結果は3着。馬場が悪かったとはいえ、ちょっと残念だった(※右後肢にフレグモーネ発症のため、登録していた皐月賞は回避)。

 あと、すみれSを勝ったディープモンスター(牡3歳/父ディープインパクト)とか、京都2歳Sでラーゴムを下したワンダフルタウン(牡3歳/父ルーラーシップ)とかも面白い存在だと思う。

 とにかく、今年は稀に見る混戦。皐月賞も、ダービーも、多くの馬にチャンスがあると思う。とりわけダービーは、別路線から突然有力候補が登場して、その馬が戴冠を遂げる――そんなことも起こり得るんじゃないだろうか。

安藤勝己(あんどう・かつみ)
1960年3月28日生まれ。愛知県出身。2003年、地方競馬・笠松競馬場から中央競馬(JRA)に移籍。鮮やかな手綱さばきでファンを魅了し、「アンカツ」の愛称で親しまれた。キングカメハメハをはじめ、ダイワメジャー、ダイワスカーレット、ブエナビスタなど、多くの名馬にも騎乗。数々のビッグタイトルを手にした。2013年1月31日、現役を引退。騎手生活通算4464勝、うちJRA通算1111勝(GI=22勝)。現在は競馬評論家として精力的に活動している。