桜花賞有力馬のデータを横山ルリカが分析「距離延長組に素質感じる」 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

 阪神JFは内でもまれて直線でも前が壁になる不利の状況で、最後、サトノレイナス相手に差させなかった勝負根性がありました。なにかおかしなことがなければ馬券圏内に入ってくるでしょう。あとは完成度が2歳時点で一番高かったので、そこからの伸びしろがどうか。ソダシ以上に上積みがある馬がいたときに、はたして何着にいるのか。

 サトノレイナスは、阪神JFでは勝ったかなとも思いましたが惜しい2着。昨夏の2歳新馬(東京・芝1600m)、サフラン賞(中山・芝1600m)で勝ちながらも、半信半疑で見ていたなかでの好走でした。ただ、ソダシをマークしながら加速しきれず勝てなかったのは課題として残ったと思います。距離の長いオークス(GI優駿牝馬)のほうが合うタイプなのかなとも思いました。でもなんといってもクリストフ・ルメール騎手がサトノレイナスを選んだあたり、手応えがあるのかなと察しますし、前に行く馬が多いという展開面も、この馬に向きそうな気がしています。

 2月に一度東京で出走予定だったのが、走らなかったのは気にはなるところではあります。ですが、最近の桜花賞を勝った関東馬に共通している関西への輸送競馬も経験済みですし、あのアーモンドアイを手がけた国枝厩舎ですから、ローテーションが空いた分だけ無理せず、順調に本番に合わせてくると考えています。

 人気順にはなりますが、同じ国枝厩舎のアカイトリノムスメ(牝3歳)にも注目です。新馬戦(新潟・芝1600m)を7着で負けたとき、あれ? と思いましたが、課題のスタートも改善され、一戦ごとに強くなっているイメージ。2勝目となった赤松賞(東京・芝1600m)は隠れた出世レースです。右回りと関西への遠征経験がない点は不安ですが、2強とは今回が初対戦で未知の魅力もあります。時計が出やすい良馬場なら、この馬のキレ味が活きるはず。そして、騎乗するのが横山武史騎手で、桜花賞、皐月賞と2週連続GI制覇もありそうで、ちょっとした人生のターニングポイントですよね。

 データを見ると、距離延長組はあまりよくないのですが、穴馬として馬券を買おうと思っているのがソングライン(牝3歳)。紅梅ステークス(中京・芝1400m)とともに強かったのが、未勝利戦(東京・芝1600m)で、すごいパフォーマンスでした。同じ日にアカイトリノムスメが勝った赤松賞よりもタイムが速く、内容も遜色ありません。スロー過ぎない展開やペースがダノンプレミアム(牡6歳)のようです。また、紅梅Sは距離短縮が活きた勝ち方には映らなかったので、マイルのほうが合っているように思えます。手綱を取るのが先週もGI大阪杯で大穴を演出した池添謙一騎手で、以前、桜花賞でも8番人気のレーヌミノルで金星を挙げています。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る