高松宮記念はレシステンシアが有望も「勝負の采配」で大金星が狙える1頭がいる (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 ハイペースで逃げて圧勝したGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)や、GI馬を相手にレコードタイムで押し切った前走のGIII阪急杯(2月28日/阪神・芝1400m)のように、とにかく時計勝負になると強さを発揮する馬。マイル戦は能力の高さでこなしていただけで、スプリント戦で小細工なしのスピード勝負をしてこそ、真の強さが発揮されるかもしれません。

 昨年の勝ち馬で、速い流れで引っ張ってくれそうなモズスーパーフレア(牝6歳)がいるのも、レシステンシアにとっては好材料です。逃げるモズスーパーフレアに続く2、3番手に構えて、かわしたい時にかわして抜け出す、といった競馬ができるのではないでしょうか。レシステンシアならば、それが可能だと思います。

 鞍上は、当初手綱をとる予定だった武豊騎手が負傷。急きょ浜中俊騎手に変更となりましたが、小細工のいらない馬ですから、テン乗りでも心配ないと見ています。余計なことは考えず、レシステンシアのスピードを生かしてあげる競馬をすれば、自ずと結果はついてくるのではないでしょうか。

 初のスプリント組では、インディチャンプも可能性がある1頭だと見込んでいます。

 インディチャンプはレシステンシアと違って、根っからのスピードタイプというわけではありません。おかげで過去2戦の1400m戦、前々走のGII阪神C(3着。12月26日/阪神・芝1400m)や、前走の阪急杯(4着)でも、後方に構えて差し届かずという結果に終わっています。1200m戦、しかもGIとなれば、さらに流れに乗るのに苦労をさせられるかもしれません。

 それでも、直線に向いてからの脚は確実。昨年2着のグランアレグリアのように、最後に前が止まったところをグイグイと伸びて追い詰める、といった形になるのが理想です。

 インディチャンプはモズスーパーフレアと同じ音無秀孝厩舎の所属馬。モズスーパーフレアはハイペースで逃げて他馬に脚を使わせて押し切る、というタイプの馬ですから、モズスーパーフレアが自分の競馬に徹すれば、そのままインディチャンプにも向いた流れになるはずです。

 昨年はグランアレグリアに"マイル王"の座まで奪われてしまったインディチャンプ。今年はグランアレグリアがいなくなって、スプリント路線で頂点を狙うことになるとは......何とも面白い構図ですね。やはりそれだけ、各路線の垣根が低くなっているのでしょう。

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