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歴史が証明。クラシックを制すのはトライアルシーズンに「化けた」馬

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 3歳春のクラシックを巡る戦いが、いよいよ本格化している。

 競馬ファンはもちろんのこと、POG愛好者にとっては、一年で最もエキサイティングなシーズンと言えるだろう。

 現状では、牡馬がダノンザキッド(牡3歳)、牝馬がソダシ(牝3歳)と、年末の2歳GIを制して2歳王者、2歳女王となった2頭が、クラシック本番に向けて最有力候補と言われている。

 とはいえ、両馬とも「この馬にはどうやっても敵わない」というほど、絶対的な存在とは言えない。

 ましてや、この時期の勢力図など、たった1頭のスーパーホースの出現でガラリと変わる。それは、過去のトライアルシーズンの歴史が証明している。

 ただし、そうした大逆転劇を演じてきたのは、「彗星のごとく」といった登場で出てきた馬ばかりではない。実はその多くは、体調が整わなかったり、成長が遅れていたり......、何らかの理由があって、この時期まで持てる能力を出し切れず、燻っていた馬たちである。

 競馬を重ねることで、それぞれが抱えていた不安が払拭され、競走馬としていろんなものが"かみ合って"くると、途端にとんでもない強さを発揮するのだ。

 つまり、彼らは劇的に登場するのではなく、劇的に"化ける"のだ。

 ここでは、そんな過去のクラシックシーズンにおいて"劇的に化けた"馬たちをひも解いていきたい。

 まずは、2011年の三冠馬オルフェーヴルである。

あれこれもがき続きけてきた結果、「大化け」したオルフェーヴルあれこれもがき続きけてきた結果、「大化け」したオルフェーヴル

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