2020.11.14

エリザベス女王杯はGI馬3頭が優勢。
一角崩しなら勢いある3歳馬か

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 今年の秋競馬では、偉大な記録が立て続けに達成されてきました。

 無敗の牝馬三冠を遂げた秋華賞のデアリングタクト、父子で無敗の三冠を果たした菊花賞のコントレイル、史上最多の芝GI8勝を挙げた天皇賞・秋のアーモンドアイ。どれも見応えのあるレースでしたし、競馬界にとって今年は、すでに歴史に残る一年になっていると思います。

 こうして大いに盛り上がる秋のGIシリーズは、先週の中休みを経て、今週から再スタート。ここから年末まで、7週連続のGI開催となります。

 そのトップを飾るのは、牝馬の頂点を決めるGIエリザベス女王杯(11月15日/阪神・芝2200m)。今年は京都競馬場の改修工事により、阪神競馬場で行なわれます。

「牝馬の頂上決戦」とはいえ、最近は牝馬が強い時代。本当に強い馬は、もはや牡馬、牝馬の垣根を越えて、混合GIに参戦し活躍するようになりました。昔は、牡馬相手に渡り合える牝馬が出てきただけで絶賛されていましたが、今や競馬界全体のトップに牝馬が君臨し続けていますからね。時代の変化を感じざるを得ません。

 そんな状況ですから、今年はアーモンドアイも、デアリングタクトも、クロノジェネシスも、エリザベス女王杯には出走しません。距離適性を考慮してのことですが、グランアレグリアもエリザベス女王杯ではなく、次週に行なわれる牡馬混合のGIマイルCSに向かいます。

 そういう意味では「牝馬の頂上決戦」と言うのは憚られるかもしれませんが、一昨年のレースを勝ったリスグラシューのように、この舞台を足掛かりにし、牡馬と互角以上の勝負を見せて時代の頂点に立った馬もいます。今後の競馬界を占ううえでも、注目のレースであることは間違いありません。

 となれば、出走馬にはエリザベス女王杯がゴールだと思わず、さらに上のレベルで戦うための通過点だと思ってもらいたいですね。実際、そうした可能性を秘めた馬が今年の出走馬の中にもいると見ています。

 さて、今年は3頭のGI馬が出走します。今春、牡馬相手のGI大阪杯(4月5日/阪神・芝2000m)を勝ったラッキーライラック(牝5歳)、昨春のGIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)を制し、前走のGII札幌記念(8月23日/札幌・芝2000m)でラッキーライラックに完勝したノームコア(牝5歳)、そして昨年のオークス馬ラヴズオンリーユー(牝4歳)です。

 基本的には、この3頭の力が一枚上なのではないでしょうか。