北九州記念は「100万超え」続出。人気薄、軽ハンデの牝馬で大きく狙う (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 続いて血統を見てみよう。父エイシンフラッシュはGⅠ日本ダービー(東京/芝2400m)勝ち馬で、カリオストロが短距離を得意とするのは意外に思われるかもしれない。だが、エイシンフラッシュは優れた瞬発力の持ち主。種牡馬の瞬発力が、短距離に対応できるスピードとして産駒に伝わることも珍しいことではない。

 そして、3代母はヒシアマゾン。同馬はGⅠ阪神3歳牝馬S(阪神/芝1600m)、GⅠエリザベス女王杯(京都/芝2400m)を制し、GⅠ有馬記念(中山/芝2500m)、GⅠジャパンC(東京/芝2400m)で2着に入った"女傑"だが、「中山/芝1200m」のGⅢクリスタルCでも豪脚を見せて差し切っている。短距離の活躍馬は、必ずしも短距離血統ではなく、スタミナの血が入っていることが多い。その点で、カリオストロも魅力的な血統馬だ。

 もう1頭は、牡馬から気になる馬を挙げておこう。トゥラヴェスーラ(牡5歳/栗東・高橋康之厩舎)は、前走の福島テレビオープン(福島/芝1200m)で初のオープン勝ち。小倉芝1200mでは2戦して勝利がないが、3歳時の萌黄賞は強敵モズスーパーフレアに次ぐ2着に入った。

 今年の北九州短距離Sでは、約13カ月ぶりの休み明けで、重馬場と悪条件が重なりながらも0秒3差の4着に入っている。萌黄賞で見せた力強い末脚は印象的で、このコースにも合っているはずだ。

 血統を見ると、父ドリームジャーニーはGⅠ有馬記念やGⅠ宝塚記念(阪神/芝2200m)を勝った本格派。そして、母の全姉は前述のGⅠスプリンターズS勝ち馬アストンマーチャン。母系は短距離適性の高い血統になっている。伯母同様、このレースを出世のきっかけにしたいところだ。

 以上、今年の北九州記念はカリオストロ、トゥラヴェスーラの2頭に期待したい。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る