落札額は超高額の5億8000万円。
アドマイヤビルゴがまもなくデビュー

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!新馬情報局(2020年版)
第33回:アドマイヤビルゴ

 競走馬のセリ市「セレクトセール」において、良血馬や、兄、姉が活躍した血統馬となれば、1億円、2億円といった高値で取引されることも珍しくない。そんななか、今年の3歳世代には、それを優に上回る破格の値段で落札された馬がいる。

 栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するアドマイヤビルゴ(牡3歳/父ディープインパクト)である。

時間をかけて調整されてきたアドマイヤビルゴ時間をかけて調整されてきたアドマイヤビルゴ 同馬は、2017年の「セレクトセール」に上場されると、なんと5億8000万円(税別)という超高値で落札されたのだ。世界的に見ても高額取引の多い「セレクトセール」にあって、史上2番目の金額だった。

 これほどの高値がついた理由のひとつは、母が欧州の名牝イルーシヴウェーヴであること。同馬は、現役時代にイギリスで活躍し、2歳時にはデビューから3連勝を飾って重賞を制すと、GIでも2着と好走した。

 明けて3歳になってからも、初戦のGIIIを快勝。続けて、日本のGI桜花賞(阪神・芝1600m)にあたるGIフランス1000ギニー(フランス・芝1600m)で戴冠を遂げた。さらにその後も、GI、重賞戦線で好走を重ねてきた実績を持つ。

 その母に、日本屈指の種牡馬ディープインパクトを配合。ディープ産駒の活躍は今さら説明するまでもなく、その血統背景と、生まれもった馬体のよさによって、歴史的な高額取引になったのだろう。

 そして、注目のアドマイヤビルゴは現在、所属する友道厩舎でデビューへ向けて、急ピッチで調整されている。その様子について、関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「アドマイヤビルゴは、小さなサイズの馬で、たしかにコンパクトな体つきをしています。それでも、スタッフの評価は高く、『小さいけど、バランスはいい』とのこと。気性は多少きついところもあるようですが、『ここまでは順調に仕上がっている』と、スタッフの方は話していました」

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