横山ルリカが2019年の競馬を総括。
漢字ひと文字「外」で表現した

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 田中亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

 競馬歴は6年目の横山ルリカさんにとって、12月22日の有馬記念は、アーモンドアイと最後まで本命を迷ったリスグラシューが会心の勝利を収め、感動のフィナーレとなった様子。今回は、そのほかの2019年の競馬シーンを振り返りつつ、「ルリカ的競馬ニュース」について聞いた。

2019年の競馬について振り返った横山ルリカさん2019年の競馬について振り返った横山ルリカさん 今年の競馬を漢字ひと文字で表現するなら、「外」だと思います。

 まずは、日本馬が海外のGIレースで8勝しました! これは、すごいことですよね。アーモンドアイが3月のドバイターフ(UAE)を制したことを皮切りに、4月にはウインブライトがクイーンエリザベス2世C(香港)を、8月には海外を転戦していたディアドラがナッソーS(イギリス)を勝ちました。

 10月は、メールドグラースとリスグラシューが2週続けてオーストラリアのGIを勝ちましたし、12月の香港国際競走では、香港マイルをアドマイヤマーズ、香港カップをウインブライト、香港ヴァーズをグローリーヴェイズと、4つのレースのうち3つを日本馬が勝ちました。ほかにも、日本に適鞍がなかった馬が、イギリスやアメリカなど、活発に海「外」に出ていく年だったと思います。

 そうなると、凱旋門賞だけどうしても勝てないのが際立ってきますよね。日本馬が一番突破したい、もっとも難しいレースになっていて、今年も3頭が挑戦して歯が立ちませんでした。「なんで勝てないのか」と考えてみたんですが......。

 日本競馬の発展に伴い、日本馬のレベルはどんどん上がっています。ですが、近年の日本特有の高速馬場で結果を残してきたGⅠ馬にしか海外への選択肢が与えられないため、フランス特有の重い馬場の中でレースをしてきた馬たちとは環境の差が大きく、凱旋門賞だけが鬼門になっているのかもしれないと思いました。「ジャパンカップで海外から参戦してきた外国馬が勝てなくなったのも、似たような理由なのかな」と、外国馬が初めて来なかった今年のジャパンCを見て感じました。

 次に騎手ですが、短期免許でランフランコ・デットーリ騎手、ライアン・ムーア騎手、クリストフ・スミヨン騎手、ウィリアム・ビュイック騎手、オイシン・マーフィー騎手、ダミアン・レーン騎手といった、すごい騎手のみなさんが日本に来てくれました。ワールドオールスタージョッキーズのために来日したミカエル・ミシェル騎手も競馬ファンをメロメロにする活躍でした。

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