ジャパンCで穴党記者の心をつかんだのは、勢いあるGI未勝利の4頭 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO


高速決着でも力を発揮しそうなダンビュライト高速決着でも力を発揮しそうなダンビュライト しかしながら、ダンビュライトが古馬になってから勝利した重賞、昨年のアメリカジョッキークラブC(中山・芝2200m)や、今年のGII京都記念(2月10日/京都・芝2200m)で見せた、巧みな立ち回りからは"高速決着に対応できる"というイメージが沸きにくい。

「たしかに、その2戦はいずれもゆったりとしたペースで、2、3番手の好位を進んだダンビュライトが直線半ばで先頭に立ち、そのまま押し切っています。結果、展開に恵まれた印象が強いかもしれませんが、血統的にはスピード競馬に対する可能性を秘めています。

 なぜなら、今春の1000万下(現2勝クラス)・比良山特別(京都・芝2200m)で、全弟のネプチュナイトが2分9秒7という驚異のレコードタイムを記録して勝利。同じ血を持つ1歳上の兄も、同様の素質はあるはずです。

 加えて、父ルーラーシップは5歳時になって、成績に安定感が増してきた晩成の馬。ダンビュライトも、休み明けだった前走が本格化の兆しだったとすれば......。大駆けがあってもおかしくありません」

 そして、松田記者はもう1頭、推奨馬を挙げる。

カレンブーケドール(牝3歳)に大きな魅力を感じています。今回と同じ舞台で行なわれた今春のGIオークス(5月19日)では、勝ち馬ラヴズオンリーユー(牝3歳)とはタイム差なしのクビ差2着。その走破時計(2分22秒8)は同厩舎の偉大な先輩、アーモンドアイのオークスにおける勝ち時計より1秒も速いんです。

 GI馬が5頭いるメンバーの中に入ってしまうと、実績的には劣りますが、その多くが"旬"を過ぎた印象。しかも、古馬牡馬の斤量が57㎏に対して、3歳牝馬の斤量は53㎏。そこは、大きなアドバンテージになります。過去10年で牝馬が6勝しているのも、その斤量差が影響しているのではないでしょうか。この春同様、高速決着に対応できれば、一発あっても驚けませんよ」

 一方、デイリースポーツの大西修平記者は、GIタイトルのない古馬牡馬の2頭に目を向ける。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る