ジャパンCで穴党記者の心をつかんだのは、勢いあるGI未勝利の4頭 (3ページ目)
「1頭は、ムイトオブリガード(牡5歳)です。快勝した前走のGIIアルゼンチン共和国杯(11月3日/東京・芝2500m)が好内容した。好位から鮮やかに抜け出して、最後まで集中力を保って伸びていたところに、ひと夏越しての成長が見受けられました。休み明けを叩いて上積みも十分。中間の気配からは、前走以上の活気が感じられます。
そのうえ、東京コースは6戦4勝、2着1回、5着1回と掲示板を外しておらず、最も得意とする舞台。なかでも、東京・芝2400mでは3戦3勝と申し分のない結果を残しています。鞍上のクリストフ・ルメール騎手とも、過去3戦コンビを組んで2勝。持ち味は十分に把握しているはずです。一気の相手強化で人気が下がるようなら、勢いのある今、積極的に狙ってみたいですね」
大西記者が推すもう1頭は、ランフランコ・デットーリ騎手が騎乗するルックトゥワイス(牡6歳)だ。
「前走のアルゼンチン共和国杯では4着に終わりましたが、トップハンデの57kgを背負っていたことと、もともと始動戦に予定していた京都大賞典をアクシデントで見送った影響があったと思われます。それでも、スローの前残りの展開のなか、最後は大外から4着まで追い上げたのは"負けて強し"と言っていいでしょう。
そして、この馬も東京コースとの相性がいい馬(9戦2勝、2着4回、着外3回)。掲示板を外したのは、重馬場だったデビュー戦と、出遅れた昨年のアルゼンチン共和国杯だけです。
もともと使いつつよくなるタイプで、ひと叩きして、中間の攻め気配からは確実に上積みが見込めます。乗り替わりも、世界的な名手を迎えて心配は無用。そのため、戦績以上に人気してしまうかもしれませんが、GI馬が何頭もいるなかでは、まだまだ伏兵扱い。狙う価値が大いにあります」
日本馬だけで行なわれる初のジャパンC。戦前の「穴馬」評価から、ここを勝って歴史に名を刻むほどの大成を収める馬が、ここに挙げた4頭の中にいても不思議ではない。
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