スプリンターズSは今年も荒れる。穴党記者が推す自信の「穴馬4頭」 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

「2013年以降、中山競馬場では秋開催の前にコースの路盤に穴を開けて、空気の通りをよくするエアレーション作業を施し、(開幕日から)硬すぎない馬場でレースが行なわれるように、JRA馬場造園課が努力してきました。そのため、昨年、一昨年の開幕週を振り返っても、"開幕週=経済コースを通る逃げ・先行の前残り"という、これまでのイメージを覆(くつがえ)す"外差し"決着がいくつか見られました。

 そうして、スプリンターズSが行なわれる頃には、開催進行によって踏み締められた馬場が硬化→最終週にかけて前残りが頻発、という傾向に変わっていました。その結果、昨年のスプリンターズSも、先行して粘ったラブカンプー(11番人気)とラインスピリット(13番人気)が、2着、3着に入って穴を開けましたよね。

 ところが、今年は開幕週から前残りのレースばかり。近年とは正反対とも言える馬場傾向で開催がスタートしました。そうした状況だと、各馬がインに殺到し、開催が進むにつれて芝が荒れていくのがセオリー。先週のオールカマーこそ、展開を味方に逃げた馬が勝ちましたが、開催3週目を終えて、徐々に外差しが決まり出しています。

 そうなると、スプリンターズSで狙いたくなるのは、内の荒れた馬場を進む逃げ・先行馬より、強烈な決め手を持つ馬です」

 こうした状況を踏まえて、松田記者はアレスバローズ(牡7歳)に注目する。

スプリンターズSでの大駆けが期待されるアレスバローズスプリンターズSでの大駆けが期待されるアレスバローズ「前走のGIII北九州記念(8月18日/小倉・芝1200m)は6着。良馬場とはいえ、台風の影響が残る馬場での出遅れが影響したと見ています。2走前のGIII CBC賞(6月30日/中京・芝1200m)こそ、不良馬場を克服して2着と奮闘しましたが、本質的には良馬場で切れ味勝負に徹したいタイプです。

 昨年は、急きょの乗り替わりと、雨の影響もあって、末脚不発に終わっていますが、切れ味を削がれない馬場状態であれば、確実にいい脚を使ってきます。大外一気の大駆けがあっても、おかしくはないでしょう」

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る