母は米GI5勝。父ディープ譲りの
切れ味も秘めるカトゥルスフェリス
厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第2回:カトゥルスフェリス
美浦トレセン(茨城県)の藤沢和雄厩舎は、日本競馬におけるトップ厩舎のひとつだ。これまでにも数多くのGI馬を育て上げ、今や3歳クラシック戦線には毎年のように有力馬を送り出している。
あと一歩で届かなかったGI日本ダービー(東京・芝2400m)も、2017年にレイデオロで制覇。藤沢調教師は、悲願だったダービートレーナーの勲章もついに手にした。
そして、今年の3歳クラシックでも、グランアレグリア(牝3歳)がGI桜花賞(阪神・芝1600m)を優勝。レースレコードを記録する圧巻の勝利で脚光を浴びた。
ますます勢いに乗る藤沢厩舎。今年の2歳世代にも、来春のクラシックでの活躍が見込まれている有望な若駒が多数在籍している。その1頭が、カトゥルスフェリス(牝2歳/父ディープインパクト)である。
藤沢和雄厩舎期待の1頭、カトゥルスフェリス 母はアメリカのGIを5勝したステファニーズキトゥン。2歳で最初のGI制覇を果たすと、3歳時こそ勝ち鞍はGIIのみだったが、4歳、5歳、6歳時には連続して芝のGIタイトルを獲得した。
まさに、アメリカの芝路線で一時代を築いた名牝である。
その彼女が、引退後は日本で繁殖生活を開始。最初に産んだのが、2017年生まれのカトゥルスフェリスである。日本だけでなく、アメリカの競馬ファンも注目する1頭だろう。
そんな名牝の初仔は、デビュー前の育成段階ではどのような動きを見せていたのだろうか。担当したノーザンファーム早来の佐藤洋輔氏は、こんな感想を述べる。
「私の厩舎の中では、一番早く育成を進めてきた1頭です。調教などを見ると、なかなか動きそうですね。春を迎える頃から一気によくなってきました。まだまだ、さらによくなる可能性がありますよ。今は遊び遊び走っている感じで、その辺が解消されればと思っています」
母の実績はもちろん特筆すべきものだが、父が種牡馬リーディングをひた走るディープインパクトであることも忘れてはならない。佐藤氏が続ける。
「(カトゥルスフェリスは)ディープインパクトの産駒らしい、いい雰囲気が出ていますよね。父特有の切れ味もありそうですし、その片鱗を調教段階で見せています。1600m以上の距離で力を発揮してくれるのではないでしょうか」
良血馬ぞろいの藤沢厩舎にあっても、注目の1頭とされているカトゥルスフェリス。同馬もクラシック戦線で主役を張るような存在になるのか。デビュー戦が待ち遠しい。