ダービーの重圧ハンパなし。優勝経験あるジョッキー騎乗の馬が有利だ (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 さて今年は、有力馬に騎乗予定だったダービージョッキーのクリストフ・ルメール騎手と横山典騎手が、騎乗停止処分を受けて急きょ乗り替わり。何か波乱が起こりそうな雰囲気を感じてしまいます。

 ふたりのダービージョッキーがいなくなって、残るダービージョッキーは、5勝している武豊騎手、2勝のミルコ・デムーロ騎手、さらに池添謙一騎手と川田将雅騎手、そして福永騎手の5人。やはり彼らには、ダービーを勝っていないジョッキーよりも、アドバンテージがあるでしょう。

 そのダービージョッキーが手綱を取る馬の中で、最有力候補を挙げれば、皐月賞2着のヴェロックスでしょうか。鞍上は、3年前にマカヒキで優勝を経験している川田騎手。今年は、先週までで64勝を挙げて全国リーディングのトップを快走しています。ジョッキーとしても充実期を迎えている今、今年のダービーを勝つにふさわしいジョッキーのひとりでしょう。

 肝心のヴェロックスも、オープン特別の若駒S(1月19日/京都・芝2000m)、若葉S(3月16日/阪神・芝2000m)と"王道"を歩んでこなかったものの、牡馬クラシック第1弾のGI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)では、断然人気のサートゥルナーリアを脅かす走りを見せてくれました。能力的にGI級であることは、その走りで証明されたと言ってもいいでしょう。

 そうなると、ハードな"王道路線"を歩んでこなかった分、逆にオツリが残っているでしょうから、ダービーでは皐月賞の時よりもさらに状態を上げてきそうです。最有力の1頭と見ていいでしょうね。

 無論、皐月賞馬のサートゥルナーリアも、今年初戦が皐月賞でしたから、状態のアップは十分に臨めます。ただ、唯一の懸念が鞍上の乗り替わり。

 ルメール騎手の代役を務めるのは、ダミアン・レーン騎手。まだ25歳と若いのですが、自国のオーストラリアではGIを何勝もしているトップジョッキーです。実際、日本に来てからも早速GI制覇を遂げて、その技術の高さは疑いようがありません。

 しかし、冒頭で触れたとおり、日本ダービーというレースは特別。その独特の雰囲気にのまれないか、少なからず不安があります。第一、圧倒的1番人気が予想される馬に騎乗するわけですからね、周囲からのプレッシャーも相当あると思います。

 もちろんレーン騎手は、そんなプレッシャーをも跳ね除けられるジョッキーかもしれません。また、ジョッキーなど関係なく、サートゥルナーリアは誰が乗っても勝てるような器の持ち主かもしれません。断言はできませんが、それほどの器の可能性はあるでしょうね。

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