昨秋の菊花賞「再戦」ムードの天皇賞・春。穴馬は持久力勝負の王子様だ (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 というのも、上がりタイムは、内で我慢して脚をタメていた上位3頭、フィエールマン、エタリオウ、ユーキャンスマイルと同じでした。それでいて結果に差が出たのは、位置取りと通ったコースの差が出てしまったと言えます。これは結果論なので、騎手を責めることはできませんが、力負けではなかったことは確かでしょう。

 年明け初戦でGII日経新春杯(1月13日/京都・芝2400m)を制し、重賞ウイナーとなって、あらためて菊花賞上位組と再戦。注目していい1頭だと思います。

 さて、今回の天皇賞・春の「ヒモ穴馬」ですが、実績的にはやや見劣りますが、カフジプリンス(牡6歳)を取り上げたいと思います。勝ち鞍すべてが芝2000mを超える距離のもので、その走りからしても、瞬発力というよりは持久力勝負でこそ、というタイプに見えます。

距離が長ければ長いほどよさそうなカフジプリンス距離が長ければ長いほどよさそうなカフジプリンス 前走のGII阪神大賞典(3月17日/阪神・芝3000m)でも、勝ったシャケトラには千切られましたが、この馬自身は最後までしっかり伸びていました。おそらく距離は長ければ長いほど、いいのではないでしょうか。

 天皇賞・春は、最後の瞬発力勝負になる時もありますが、淀みない流れで持久力がモノをいうレースになることが多いです。あくまでも展開次第ですが、厳しい流れになれば、出番があってもいいと思います。今年の場合、その可能性は決して低くないと思うんですよね。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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