菊花賞馬フィエールマンに不安。AJCCは中山巧者にここぞとお任せ (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 ミライヘノツバサは、全4勝がすべて中山コース。中山では10戦して4勝、2着2回、3着2回、着外2回と、まさしく"中山巧者"と言える。馬券圏外(4着以下)となったのは、強豪がそろったGI皐月賞(12着。2016年4月17日/中山・芝2000m)と、長期休養明け初戦となった昨年のGIIオールカマー(10着。9月23日/中山・芝2200m)だけ。それゆえ、デイリースポーツの大西修平記者も同馬に注目している。

「約1年半の休み明けとなった前々走のオールカマーでは10着と、まだ本来の走りにはほど遠かったのですが、叩き2戦目の前走・アンドロメダS(2018年11月17日/京都・芝2000m)では、直線半ばまで粘って見せ場十分の6着。序盤の行きっぷりにも良化が見られ、復活の兆しは示したように思います。

 その後、しっかりと疲れをとってから、美浦の坂路を中心に乗り込んでおり、長期休養明けとなった近3走では一番と言える状態でしょう。一昨年のこのレースでも、序盤から先行した馬がみな失速していくなかで、同馬だけが最後まで粘りを見せて3着。自分のリズムで運べるようなら、ペースは問わないタイプで、今回はきっちり上位争いに絡んでくるでしょう」

 大西記者はもう1頭、関西から挑むベテラン馬を推奨する。

ステイインシアトル(牡8歳)です。前走のGIII新潟大賞典(2018年5月6日/新潟・芝2000m)では、勝ち馬からコンマ1秒差の2着。10カ月近い休み明けだったことを思えば、文句の付けようのない内容でしょう。

 先行力のある脚質が魅力で、本来は広い新潟の外回りよりも、直線が短いコースのほうが合うはず。中山は初めてですが、似たような条件の、直線に坂のある阪神・内回りでの好走歴があり、持ち味を発揮するうえでは支障はないと見ています。休養期間も前走より短いだけに、力は十分に出せるでしょう。

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