デビュー間近。ダービー馬マカヒキの全弟、ウーリリはどれほどの器か (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yoshio Tsunoda/AFLO

 同年の秋には、最後の一冠となるGI菊花賞には向かわず、世界最高峰のレースと称されるGI凱旋門賞(フランス・芝2400m)への挑戦を表明。前哨戦のGIIニエル賞(フランス・芝2400m)を制し、「日本から来た刺客」として注目を集めた。

 結局、本番では14着に敗れてしまったが、世代の頂点に立ったマカヒキの果敢なチャレンジを、多くのファンが称えた。

 その後、4歳になった昨年は勝ち星に恵まれなかったものの、GI戦線で善戦を繰り返した。そして、その年末には骨折というアクシデントに見舞われたが、5歳となった今夏に復活。復帰初戦のGII札幌記念(札幌・芝2000m)で2着となって、健在ぶりをアピールした。

 先の天皇賞・秋(東京・芝2000m)では3番人気に推されて完全復活が期待されたが、7着。かつての雄姿はいまだ影を潜めたままだが、このあとのGIシリーズでの反撃が見込まれる1頭である。

 こうしてマカヒキが奮闘を重ねるなか、同馬の全弟となる2歳馬がいよいよデビューのときを迎えようとしている。栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するウーリリ(牡2歳/父ディープインパクト)である。

 兄と同じ厩舎に身を置くこの若駒は、スタッフからどのような評価を得ているのだろうか。その詳細を関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「現状、それほど強い追い切りをしていない段階ですが、スタッフはウーリリに対して『いいものを持っている』と話しています。『柔らかくて、走り方もいい』とのことです。現時点で"非常に評価が高い"とまでは言えませんが、これからグッとよくなってくる可能性は秘めているそうです」 

 良血馬らしい素材のよさは、スタッフも感じているようだ。

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