前哨戦は惨敗のエポカドーロ。菊花賞は「問題」解決で買い、となるか (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 つまずいたこと――それが敗因なら、今度はつまずかなければ済む話。だが、つまずかなかったとしても、また神戸新聞杯と同様、凡走してしまうかもしれない「本質的な問題」が、この馬にはあると言うのだ。

「走るときのリズムですよ。

 自分のリズムで気持ちよく走れたとき、この馬は本当に強い。皐月賞(4月15日/中山・芝2000m)も、ダービーも、そういう競馬でした。ビデオ映像で改めて見てもらえばよくわかりますが、あのふたつのレースでは『これ以上ない』というくらい、この馬の競馬がうまくいった。

 でも逆に、何かのアクシデントがあって、リズムが崩れて、自分の好きな走りができなかったとき、この馬は脆い。その弱点を露呈したのが、神戸新聞杯での競馬です。

 もし本当に強い馬だったら、たとえ出遅れても、不利な競馬を強いられたとしても、どこかで一瞬でも『さすが』というところを見せるものなんですけど......。もともと歩様が硬くて、器用さがない馬ですからね。一度リズムを崩すと、それがなかなか修正できないんです。

 菊花賞では唯一、ハナを切って気持ちよく逃げたときだけ、勝ち負けの可能性があると思いますが、他の馬の陣営がそれを黙って許してくれるかどうか。前走からの巻き返しは、かなり厳しいでしょう」

 もうひとつ、この馬にとって気になるデータがある。

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