信頼のダービー馬か血統の皐月賞馬か。神戸新聞杯は2頭がガチで勝負 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Motoo Naka/AFLO

 ワグネリアンは、皐月賞では後方からの競馬で7着と大きく敗れているが、それ以外では中団より前につけて末脚を伸ばすという安定感ある競馬を見せており、今回も大崩れはなさそうだ。今回のレースに向けての調整も順調のようで、勝利に最も近い馬といっていい。

 ただ、ちょっと気になるのは父ディープインパクト産駒の神戸新聞杯成績だ。過去20頭が出走し、1勝、2着2回と、それほどいい数字ではない。1番人気馬は前述のリアルスティール、サトノダイヤモンドがともに連対しているが、あえて不安点を挙げればここか。

 一方のエポカドーロ(牡3歳/栗東・藤原英昭厩舎)は、今年1月21日の2戦目(京都・芝1600m)で初勝利を挙げると、続くあすなろ賞(小倉・芝2000m)を勝利して臨んだGIIスプリングS(中山・芝1800m)でハナ差の2着。そして7番人気(単勝14.5倍)だった皐月賞を、好位4番手から抜け出して2馬身差で快勝している。続く日本ダービーはハナを奪いながら、ワグネリアンと1/2馬身差の2着に敗れた。今回はそれ以来の出走となる。

 神戸新聞杯に出走した皐月賞馬は2007年以降4頭。2007年ヴィクトリーが3着、2009年アンライバルドが4着、2011年オルフェーヴルが1着、2012年ゴールドシップが1着で、2勝、3着1回というまずまずの成績だが、日本ダービー馬の安定感と比べると大きく劣っている。エポカドーロの脚質的にも、1600mを逃げ切るスピードがあるくらいの馬なので日本ダービーでは逃げて粘ったが、他馬の目標になりプレッシャーをかけられる展開になってしまうと、やや心配ではある。

 父オルフェーヴルの産駒はこの世代が初年度産駒だが、オルフェーヴルが神戸新聞杯を勝利していて、その父ステイゴールド産駒も3勝しているため、血統的に不安が少ないのは好材料だ。

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