キーンランドCは2タイプの穴馬「3歳・洋芝適性」が夏の最後を彩る (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 レース後、鞍上の福永祐一騎手も『道中で置かれて、直線の反応もあまりいいものではなかった。それでも、前残りの展開の中で(見事に)差してきている』と評価していました。福永騎手は先週の札幌記念を制覇。その手腕にも期待が持てます。

 1200m戦では3戦3連対と、まだ底を見せていないのも魅力。前走で2着を分け合ったラブカンプーはその後、GIIIアイビスサマーダッシュ(新潟・芝1000m)で2着、GIII北九州記念(小倉・芝1200m)で3着と、古馬相手にも好走しています。トゥラヴェスーラも、ここで通用する力は十分あると踏んでいます。

 もう1頭は、ダノンスマッシュ(牡3歳)。こちらも、要注意でしょう。父ロードカナロアと同じ安田隆行厩舎所属で、担当するスタッフも同じです。

 そしてその岩本龍治助手が、ダノンスマッシュについて『乗り味がいいし、(ロードカナロアと)似ていると思う。やる気のないハッキング(※軽めのキャンター)なんかはそっくり』と証言。そんな、偉大な父と比較した話を聞くと、ますます食指が動きます。

 もともと素質を高く評価されていた馬で、昨年のGI朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)でも5着と好走しました。ただ、出遅れが多くて、その後はもどかしい結果が続いていました。それが、最近になってゲートが安定。前走の函館日刊スポーツ杯(7月21日/函館・芝1200m)では、初の1200m戦にも難なく対応して完勝しました。

 3歳春に距離を詰めてから、5連勝を果たした父と重なるところもあります。のちに、同馬も父のようなGI馬となれるのか、今回はその試金石となる一戦でしょう」

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