元ダービージョッキーは言う。あの「評価ガタ落ちの1頭」は侮れない (2ページ目)

 こうした選択でも、気持ちに余裕があるか、ないか、で違ってきます。

 勝負事ゆえ、こういう状況を迎えることは当然あります。最終的にどちらを選択したにしろ、騎手を責めることはできませんが、それが結果に影響することが多々あります。それが現実です。

 その際、おおよそ気持ちに余裕のある騎手が選択したコースのほうが、好結果につながることが多いと思います。

 さて、今年の日本ダービー(5月27日)。弥生賞(3月4日/中山・芝2000m)が終わった時点では、正直こんなに人気が割れて、混戦になるとは思っていませんでした。

 そうなった理由のひとつは、ダノンプレミアムの動向によるものです。

 デビュー時から桁違いの競馬を続け、初めての2000mとなった前走の弥生賞でも、思っていたほど折り合いに不安を見せることなく、圧勝しました。この時点で、すでに皐月賞(4月15日/中山・芝2000m)は当確。ダービーもほぼ手中に収めていると思っていました。

 ところが、一頓挫あって皐月賞を回避する憂き目にあい、今回は弥生賞以来の競馬となります。順調ではない分の割引、そして久々で折り合えるのか、という懸念が持ち上がることになってしまいました。

 まともなら「楽勝」というレベルの馬だと思いますが、今回は非常にジャッジが難しい存在となりました。来るなら、1着。負けるなら、大敗という極端な結果になりそうです。

 混戦になったもうひとつの理由は、それまでの実績が申し分なく、弥生賞でもダノンプレミアムに次ぐレースをしたワグネリアン、そしてジャンダルムの2頭が、皐月賞で見せ場もなく、大敗してしまったからです。

 確かにやや重の馬場状態が影響した面もあると思いますが、見た目には悪い印象が残りました。おかげで、ダービーでの混戦ムードをより強めてしまったと思います。

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