今年だけ荒れる阪神大賞典。穴党記者の4頭でトクトク馬券の組み合わせ (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

「凱旋門賞(フランス・芝2400m)出走を視野に入れて、クリンチャーの鞍上は今回から武豊騎手にスイッチ。話題性もあって、おそらく1番人気に推されるでしょう。

 しかし、2着になった菊花賞はかなりレアな不良馬場での結果。京都記念にしても重馬場でした。2戦とも極端に上がりのかかる舞台であったことは事実。クリンチャーは腹袋が大きくて確かにスタミナは豊富ですが、反応がひと息で、緩急に課題を残しています。

 一方、ステイヤーズSで3連覇を果たしたアルバートも、やや時計がかかる舞台を得意とするタイプ。ステイヤーズSにしても、中山開催の開幕週に行なわれていますが、馬場はエアレーションなどで軟化作業が施されています。明け7歳となってもハイパフォーマンスを維持しているのは立派ですが、瞬発力勝負になった場合はどうか。

 現に、今の阪神は高速馬場ですからね。それぞれ、その舞台に対応できるかどうかは疑問です。加えて、今回は2頭ともテン乗り。武豊騎手にしても、アルバートに騎乗する福永祐一騎手にしても、この先の天皇賞・春を意識するのは当然で、前哨戦のここで消耗することだけは避けたいところでしょう。

 そんな関係者の思惑と、現在の馬場状態を考慮すれば、今回に関しては2頭とも絶対的な信頼は置けません」

 では、現実的に考えて、人気馬2頭が苦手とするような展開、流れとなるのか。日刊スポーツの松田直樹記者はこう語る。

「近年の長距離戦は、スローペースからの切れ味勝負になりがち。2013年以降の3000m超のレース32鞍を例にとっても、そのうち19鞍でメンバー最速の上がりを記録した馬が勝っています。

 もちろん、スタミナ豊富な長距離のスペシャリストたちが活躍することもありますが、多少の距離不安があっても、意外とこなせてしまう設定になっています。瞬発力上位の馬が穴をあけても、特段驚くことはありません」

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