実は荒れる毎日王冠。人気GI馬に隠れた「3頭の穴馬」が王冠を奪う (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 前述した2014年のエアソミュールとサンレイレーザーも、それぞれ夏の重賞を使っていた。前者はGII札幌記念(5着。札幌・芝2000m)、後者はGIII関屋記念(7着。新潟・芝1600m)に出走。いずれも結果は出せなかったが、夏場にひと叩きしたことが毎日王冠で功を奏したのだろう。

 また、6番人気の低評価を覆(くつがえ)して2着に入った2013年のジャスタウェイも夏の関屋記念に出走。そこで2着と結果を出して、毎日王冠での好走につなげている。

 さらに、2007年に8番人気で金星を挙げたチョウサンも、夏場に休みなく使われて9月上旬の条件戦を勝ってオープン入り。その勢いに乗って、この舞台でも連勝を飾っている。

 まさに、使っている強みが生きるレースであり、そういう馬たちがここで波乱を演出する穴馬候補となり得る。

 今年、その候補となるのは、アストラエンブレム(牡4歳)だ。

 同馬はGIII新潟記念(2着。9月3日/新潟・芝2000m)を経て、ここに挑んでくる。春から好調を維持しており、前走からおよそ1カ月という間隔も悪くない。

 近3走はすべて2着。詰めの甘さは感じられるものの、逆に言えば、必ず上位に来る力があるということ。状態面のよさが後押しとなれば、悲願の重賞初制覇を果たしてもおかしくない。

 夏場に使われてきた馬としては、ヤングマンパワー(牡5歳)も面白い存在だ。

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