毎日王冠のマカヒキ。復活か、それともダービーで燃え尽きていたのか (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Kyodo News

 過去を振り返ってみても、ダービー馬のその後の成績が振るわないことは少なくない。最近でも2014年のダービー馬ワンアンドオンリーは、古馬になってからは未勝利。グレード制が導入された1984年以降、シンボリルドルフからマカヒキまで33頭のダービー馬のうち、実に21頭もの馬が古馬となってから勝利できていないのだ(3歳時に引退した馬も含む)。

 単に早熟であったり、ダービーですべてを出し切ってしまったり、その後にライバルが台頭したり、その理由はさまざまだが、ある意味"ダービーの呪縛"のようなものが存在するのかもしれない。はたして、マカヒキはこの"呪縛"から逃れることができるのだろうか。

 デイリー馬三郎の吉田順一記者は、マカヒキは3歳春の時点で、すでに"ある部分"においての完成度が高かったという。

「皐月賞やダービー時においては、き甲(馬の首と背中の境あたりの膨らんだ部分)の抜け具合やお尻の形からすれば、(マカヒキは)まだ成長段階にありました。しかし、他馬に比べると、馬体のバランスがよく、トモ腰の完成度はかなり上回っていました。それが、デビューからの3連勝、皐月賞2着、ダービー1着という好成績につながったのだと思います。

 当時、しのぎを削っていたディーマジェスティやサトノダイヤモンド、リオンディーズ、エアスピネルなどと比べても、四肢の運びがきれいで、ブレない走法が際立っていました。立ち気味のつなぎ(蹄から球節の間)が生かされて、速い脚が使える利点となっていたのも事実でしょう」

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