中高年の夢のせて。スプリンターズSは7歳ラインミーティアで大勝負 (2ページ目)

 翻(ひるがえ)って、夏場のレースを使ってきた面々はどうか。

 北九州記念(8月20日/小倉・芝1200m)を勝ったダイアナヘイロー(牝4歳)は、少し興味がそそられる1頭です。平坦コースとはいえ、ここ2戦は尋常ではないほどの強い競馬を見せていますからね。

 特に前走は、テンの3ハロン(600m)が32秒台、1000m通過も55秒台というハイラップの展開にありながら番手で進み、直線もほぼスピードが落ちることなく、そのまま押し切ってしまいました。これは、スピードの絶対値が高いことの証明。この夏の間に大きく成長し、本格化したのでしょう。

 競馬というのは、単純に時計比較だけでは決まらないものですが、それでも今のダイアナヘイローには可能性を感じますね。

 このダイアナヘイロー同様、夏場のレースを使われて実績を上げてきた組の中から、今回の「ヒモ穴馬」を取り上げたいと思います。明け4歳のダイアナヘイローとは打って変わって、キャリア37戦を数え、7歳秋を迎える古豪のラインミーティア(牡7歳)です。

一発大駆けが期待できるラインミーティア一発大駆けが期待できるラインミーティア 人間でも同じことが言えると思いますが、通常は短距離戦、ましてGI戦ともなると、伸び盛りの若い馬に分があります。ただ稀(まれ)に、ものすごく晩成型の馬がいます。

 少しイメージは違いますが、一昨年のこのレースを6歳秋で制したストレイトガールもそうでした。引退レースを飾った7歳春のヴィクトリアマイルでも、驚異的な強さを見せてくれました。おそらく、この頃がピークだったのではないでしょうか。

 ラインミーティアも、同馬にとってのピークが今、きていると思います。この2走、勝利した前々走のアイビスサマーダッシュ(7月30日/新潟・芝1000m)に、僅差の2着だった前走のセントウルS(9月10日/阪神・芝1200m)にしても、道中2回ほど詰まるロスがありましたが、それをものともしない競馬を披露。負けたとはいえ、セントウルSも内容的には勝ち馬に匹敵するパフォーマンスを見せています。

「千直」を使ってきた効果もあるのか、1200m戦では以前よりもいい位置を取れるようになってきています。そうやってある程度の位置をとって、あの強烈な決め手を繰り出せるのなら、GIの舞台でも十分に勝負になると思います。

 鞍上も、馬も"マイナー"な存在ゆえ、今回も人気は上がらないと思いますが、侮れない1頭ですよ。一発を期待したいと思います。

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