天皇賞・春は有馬記念の再現?キタサンブラックに逆転の目はあるか (3ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki 村田利之●写真 photo by Murata Toshiyuki

【血統】
 これだけの実績を残している馬について、今さら血統を見る必要はないかもしれないが、2頭を比較するために改めて分析したい。

 キタサンブラックは父ブラックタイド、母の父サクラバクシンオーという血統。サクラバクシンオーがスプリンターだったので、距離の不安を囁かれたこともあったが、サクラバクシンオーは母が天皇賞馬アンバーシャダイの全妹であり、スタミナの遺伝子を持っていたので、キタサンブラックのように距離をこなす馬を出せたという解釈だ。

 一方、サトノダイヤモンドの父ディープインパクトはブラックタイドの全弟でもあり、母マルペンサはアルゼンチンでダートと芝2000mのGIを勝っている。母の父オーペンは芝1200mの仏GIモルニ賞の勝ち馬で、産駒にもスピードタイプが多く、その父ルアーもBCマイル連覇の名マイラー。母系はスピード寄りの印象だが、"父ディープインパクト×母スプリンターは走る"というセオリーがあり、実際、GI7勝のジェンティルドンナも母が芝約1200mのGI勝ち馬だったし、先日のGI皐月賞を勝ったアルアインも母ドバイマジェスティが米牝馬チャンピオンスプリンターだった。ディープインパクト産駒に関しては、母がスピードタイプでも距離は問題ないという考え方でいいだろう。

■結論
 2頭とも強力なスピード血脈を持つという共通点がある。

【馬齢】
 馬齢も大きなポイントだ。過去30年のデータを見ると、サトノダイヤモンドの4歳は15勝、キタサンブラックの5歳は11勝となっており、4歳がやや有利。"前年の菊花賞馬"は過去30年で1991年のメジロマックイーンから昨年のキタサンブラックまで7頭が勝利している。充実期を迎えるサトノダイヤモンドは、3歳暮れの時点で2kgの斤量差があったとはいえ、既にキタサンブラックを破っており、成長曲線を考えると今回も有利だろう。

■結論
 上昇度では4歳馬のサトノダイヤモンドが上か。

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