5歳で完成期のサトノクラウン。「種牡馬の価値」もかけて大阪杯へ (6ページ目)
こうして、ひと皮むけたサトノクラウンは、大阪杯で初の国内GIタイトルの獲得に挑む。決戦を前に、小出氏はこんな思いを吐露した。
「サトノクラウンは、自分が厩舎長になって初めて重賞タイトルを獲得した馬。しがらきでもずっと自分が乗ってきましたし、思い出深い存在です。ですから、ここでがんばってくれればうれしいですね。血統的にも日本では珍しい馬なので、大阪杯を勝つことで種牡馬への可能性も広がればいいと思います」
サトノクラウンは、母親の受胎中に日本へとやってきて誕生した"持ち込み馬"となる。そのため、日本には数少ないマルジュという種牡馬の血を引いている。国内に同じ血を持つ馬が少ないため、自身が種牡馬になったときは、配合の自由度が極めて高い。そういった意味でも、種牡馬入りへ向けて大阪杯の勝利は大きな価値を持つ。
若駒時代にはなかった心身両面の力強さを備え、5歳となって完成期を迎えたサトノクラウン。国内屈指のタレントがそろう大一番で、いよいよその真価を見せつける。
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