大混戦の香港国際競走。モーリス、エイシンヒカリは有終の美を飾れるか (3ページ目)

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu


 3番手には前哨戦3着のサンジュエリー。ためて切れる馬ではなく、速い流れに乗って、直線で抜け出す流れがベスト。こちらも枠順は理想的だ。以下、ビューティーオンリー、ネオリアリズム。エイブルフレンドは、力は認めるものの、往年の輝きは期待できない。着までか。

 4つの国際競走のトリを飾るのは香港カップ。今年はディフェンディングチャンピオンのエイシンヒカリと、昨年は香港マイルを制したモーリスが、天皇賞・秋に続いて激突する。両頭とも今年は海外でGIを勝利し、これが引退レースとなる。

昨年の覇者、エイシンヒカリ。鞍上の武豊騎手の表情も明るい昨年の覇者、エイシンヒカリ。鞍上の武豊騎手の表情も明るい

 ただ、戦いは2頭だけのものではない。同コースで行なわれた昨年のクイーンエリザベス2世カップで2着のステファノス(父ディープインパクト、牡5歳)、昨年2つのGIを含む重賞6勝のラブリーデイ(父キングカメハメハ、牡6歳)、エリザベス女王杯で待望のGI初勝利を飾ったクイーンズリング(父マンハッタンカフェ、牝4歳)が日本から参戦する。

 迎え撃つ香港勢は一昨年の勝ち馬デザインズオンローム(父ホーリーローマンエンペラー、せん6歳)を大将格に、昨年の香港カップで3着のブレイジングスピード(父ディラントーマス、せん7)が主力で、よくいえば古豪が健在、悪く言えば新陳代謝がうまくいってない。このほか、フランスから参戦のエリプティク(父ニューアプローチ、牡5歳)までが勝負圏内。

 枠順は、展開のカギを握るエイシンヒカリが1番枠。逃げ馬にとって、絶好の枠を引いた。モーリスが8番枠、ラブリーデイが2番枠、ステファノスが7枠、地元勢ではデザインズオンロームが6番枠、ブレイジングスピードが4番枠にそれぞれ入った。いずれも希望する枠か、それに近い枠だといえる。

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