母も兄もGI馬。2歳世代の勢力図を占う「超良血」グローブシアター

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2016年版)
第24回:グローブシアター

 秋競馬のシーズン真っ盛りのなか、来年のクラシックを目指す若駒たちも、毎週数多くデビューしている。その2歳馬のなかには、母がGI馬、あるいは兄姉がGI馬という良血馬もたくさんいる。

 近年は日本競馬の国際化が進んだこともあって、国内GIに限らず、海外GIを勝った繁殖牝馬が輸入されたり、その兄姉が海外GIを勝っていたりしていて、そうした良血馬はますます増えている。

 ただ、母がGI馬で、なおかつ兄姉もGIを勝っている2歳馬というのは、決して多くはない。そんな稀(まれ)に見る"超良血"馬が今週デビューを迎える。

 栗東トレセン(滋賀県)の角居勝彦厩舎に所属する、グローブシアター(牡2歳/父キングカメハメハ)である。

兄たちと同様、GI制覇の期待がかかるグローブシアター兄たちと同様、GI制覇の期待がかかるグローブシアター 競馬ファンにとっては、説明不要なほど、誰もが知っている血統と言っていいだろう。母は、2005年に日米のオークス制覇を成し遂げたシーザリオ。故障によって、わずか6戦で現役生活を終えたが、5勝(うちGI2勝、GIII1勝)2着1回という輝かしい成績を残した。もし無事だったら、きっと牡馬相手にもGIで好勝負を演じていたはずだ。

 彼女は繁殖牝馬になってからも、素晴らしい功績を挙げている。2010年に生んだエピファネイア(牡/父シンボリクリスエス)は、GI菊花賞(京都・芝3000m)と、GIジャパンカップ(東京・芝2400m)で戴冠。ジャパンカップでは、当時世界ナンバー1の評価を受けていたジャスタウェイを4馬身も突き離した。

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