熟練スタッフも驚く成長力。菊花賞はミッキーロケットが飛んでくる! (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 皐月賞のあと、ミッキーロケットは3カ月近く休養して夏場の北海道開催で復帰。500万下、1000万下のレースをクリアすると、菊花賞トライアルのGII神戸新聞杯(9月25日/阪神・芝2400m)に出走した。そこで、皐月賞でははるか先を走っていたサトノダイヤモンドと追い比べを展開。ゴール前では馬体を並べ、世代トップクラスの馬にクビ差2着まで迫ったのだ。

 春とはまったく別馬のようなレースを見せたミッキーロケット。いったい、どうやってここまで成長できたのだろうか。

 そのヒントとなる、ひとつの証言がある。ノーザンファーム早来で同馬に携わってきた横手裕二氏の言葉だ。ミッキーロケットはデビュー前の育成をこの地で行ない、皐月賞後の休養もここを訪れたのだが、その際、久しぶりに同馬を間近で見た横手氏は、とにかく驚いたという。

「デビュー前の育成のときは、体がパンとしていなくて、しっかりしていない印象がありました。でも皐月賞のあと、久々に早来に戻ってくると、馬が全然違っていたんですよね。体つきが変わっていて、びっくりしました。『これは、500万(レベル)の馬じゃない』と思いましたし、ここまでしっかりしていれば、相当やれると確信したことを覚えています」

 横手氏が見ていた育成時代、ミッキーロケットは決して大物感が漂う1頭ではなかったという。馬体の肉付きも「もうひと回りほしい」と感じていたそうだ。

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