大荒れムードの秋華賞。
特注は地力あるレッドアヴァンセ

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 3歳「牝馬三冠」最終戦の秋華賞(京都・芝2000m)が10月16日に開催されます。

 春の二冠、阪神の外回り芝1600mで行なわれる桜花賞、東京・芝2400mが舞台のオークスと比べて、秋華賞が行なわれる京都の内回り芝2000mは、とてもトリッキーなコースです。勝負の分かれ目となるポイントが多く、ジョッキーにとっては考えさせられることが多い舞台です。

 まず、スタートしてから1コーナー入り口までの距離がそれほど長くないため、ポジション争いが熾烈になりやすく、最初の入りからペースが速くなる傾向があります。ここが、最初の"鬼門"ですね。

 そして次なる"難所"が、京都・芝内回りコースの最大の特徴である、328mという最後の短い直線。桜花賞の阪神・芝外回り(Bコース=476.3m)や、オークスの東京(525.9m)の直線と比べると非常に短く、どこで仕掛けるか、どこのコース(内、中、外)を通すかが、勝負を決めるターニングポイントとなります。

 その短い直線を意識すると、どうしても早めに仕掛けたくなりますが、京都コースは3コーナーから4コーナーにかけて急な下り坂。そこで勢いがつきやすく、スピードが上がりすぎると、4コーナーではかなり外へ膨らんでしまいます。過去のレースでも、ほとんどの馬が外まで膨れ、最後方から内をすくった馬が馬券対象圏内に飛び込む、ということが多々ありました。

 また逆に、短い直線を意識しすぎてか、早めにまくって直線ですでに先頭に立った人気馬が、ゴール前で脚をなくして外から差される、というシーンもよく見られました。まさしく波乱要素を多く含んだレースと言えます。

 とはいえ、近年は"まぎれ"が少なく、連対馬は比較的人気サイドで決まっています。それは、どんな競馬でもできる強い人気馬が存在し、他の陣営もマークする馬がはっきりしていたからだと思います。やはり軸になる存在がいると、レースが壊れず、締まった競馬になります。

 そういう意味では、オークス馬の大本命・シンハライト(牝3歳)が出走していれば、今年もわりと平穏に収まったでしょうね。しかし、そのシンハライトがよもやの戦線離脱。「1強」ムードだったレースが一転、難解なものになりました。こうなってくると、今年は波乱が起こりそうです。

 実績上位は、桜花賞馬のジュエラー(牝3歳)です。ただ、前走のローズS(9月18日/阪神・芝1800m)での大敗(11着)で評価が難しくなりました。

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