2016.09.24

神戸新聞杯、大本命サトノダイヤモンド
を脅かす「2頭の上がり馬」

 続く皐月賞は13着と、出走しただけで終わってしまいましたが、その後は無理に日本ダービーを使わずに休養。これが正解だったと思います。復帰初戦の函館戦(500万条件で1着)から、成長を感じさせるレースを見せてくれました。

 その直後の昇級初戦(1000万特別)は2着と取りこぼしましたが、前走の1000万特別・HTB賞(8月14日/札幌・芝2000m)では再び完勝。トモ(後肢)がよくなったのか、位置取りがよくなったうえ、仕掛けた際の反応もよく、器用な競馬ができるようになっていました。こうなってくると、春にあった上位陣との差が、大きく詰まっている可能性はあるでしょう。

 もう1頭は、ナムラシングン(牡3歳)です。同馬も春の段階では上位勢との差を感じましたが、夏を越して大きく成長。期待を抱かせる1頭となりました。そこで今回は、この馬を「ヒモ穴馬」に取り上げたいと思います。

夏を越えて成長したナムラシングン 2歳の暮れにサトノダイヤモンドと初めて対戦。そのときは3着に奮闘したものの、完全に力負けでした。そして、2度目の対戦は皐月賞。ここでも7着に敗れていますが、内容は最初に対戦したときとは違いました。スタートからサトノダイヤモンドをマークして追走。残り800mとなる3コーナー付近から外側に並びかけて真っ向勝負を挑み、直線坂下まで食い下がっていったのです。

 結果的には敗れてしまいましたが、1000m通過が58秒4というハイペースのレースにあって、3コーナーから大外をまくっていけば、普通は大敗しても仕方がないところ。それを7着に踏ん張ったことは、秘めた能力の一端を見せたと思います。

 サトノダイヤモンドもナムラシングンに外から来られたので、仕方なく動いたように見えました。それが最後の甘さとなり、後ろから来た2頭に差される形となりました。ある意味で、このレースのカギは、ナムラシングンが握っていたのかもしれませんね。

 ナムラシングンもこのあと、ミッキーロケットと同様、無理をしないで休養に入りました。陣営のこの選択は、まさに英断だったと思います。

 なぜなら、ミッキーロケットはまだ500万条件の身でダービー出走はかなり厳しい状況にありましたが、ナムラシングンの場合は2勝していて、なおかつ皐月賞トライアルの若葉Sでも2着と、トライアル戦に出ていればダービーの出走権利を取れるポテンシャルを見せていたからです。

 日本ダービーというのは競馬に携わる者にとって、参加するだけでも意義がある特別なレース。それが実現できる可能性がある馬を、先を見据えて休ませたのですから、なおさらそう思います。

 その”英断”の成果は、前走の1000万特別・宮崎特別(8月13日/小倉・芝2000m)でしっかりと見ることができました。降級馬のいないレベルの低いレースではありましたが、休み明けで古馬相手に難なく勝利。それも、直線で軽く仕掛けると、あっという間に2着馬に2馬身半差をつける完勝でした。

 サトノダイヤモンドとは3度目の対戦となる今回、これまで以上に際どい勝負を演じても不思議ではありません。

大西直宏オフィシャルブログ>