NHKマイルC、今度こそメジャーエンブレムが得意の舞台で巻き返す (2ページ目)

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki  photo by AFLO

 東京芝1600mの逃げ切りは簡単なことではないが、このレースでは過去に2012年のカレンブラックヒル、2014年のミッキーアイルと、2頭が逃げて勝利を収めている。3歳のこの時期なら、スピードの違いで押し切ることができるのだ。メジャーエンブレムは、それが可能な実力馬と見ている。

 血統面も優秀だ。父ダイワメジャーはGI皐月賞、GI天皇賞・秋、そして今回と同じコースのGI安田記念などGIを5勝した名馬で、前述のカレンブラックヒルは同馬の産駒。母の父オペラハウス、祖母の父レインボウクウェストは欧州のクラシックレースを思い起させる本格派血統であり、父のスピードだけでなく母系にスタミナの血を持つのは、厳しいこのコースを走るうえでは大きな武器となる。かつての名牝で、父の妹でもあるダイワスカーレットを思い起こされる走りを見せているメジャーエンブレム。GI NHKマイルCでは、同馬に少しでも近づけるような走りを見せて欲しい。

 その他の有力馬も見ていこう。メジャーエンブレムと同じ父の産駒ティソーナ(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)も注目の存在だ。叔父にJpnI帝王賞のゴルトブリッツ、祖母の弟に三冠馬ディープインパクトがいる名牝系の出身で、祖母の父シーキングザゴールドは1997年の勝ち馬シーキングザパールと同じ。牝系には2003年の勝ち馬ウインクリューガーもおり、このレース向きの血が揃っている。やや行きたがる面があり、ベストは1400mかもしれないが、このコースでも勝利があるし、速いペースになれば折り合いも付き、末脚が活かされるだろう。好走は可能。

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