【競馬】超良血タッチングスピーチ。秋華賞で開かれる名牝への扉 (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

 注目すべきは、何よりその血統だ。

 母リッスンは、イギリスでGI勝ちがあり、全姉のセコイヤもアイルランドのGI馬。さらにその全姉の産駒には、イギリス、アイルランドのGIを4勝した名馬ヘンリーザナビゲーターがいる。まさに、欧州でもトップクラスの"血筋"と言っても過言ではない。

 片や、父は日本が世界に誇るディープインパクト。今さらそのすごさを説明するまでもないだろう。ちなみに、タッチングスピーチのひとつ下の全弟が、2014年の『セレクトセール』で2億6000万円という高額でカタールのファハド・アルターニ殿下に落札された。しかも殿下が、同馬を本場イギリスでのデビューを目指して輸出したことから、その配合は世界レベルで注目を集める"超"良血であることがわかるだろう。

 事実、関西の専門紙トラックマンによれば、タッチングスピーチはデビュー前から素晴らしい動きを見せていたそうだ。それゆえ、同馬の新馬戦から前々走まで手綱をとっていた福永祐一騎手は、デビューを前にして「牝馬クラシックは、この馬で行きたい」と、関係者に漏らしていたという。

 しかし、期待された春のクラシック出走は叶わなかった。桜花賞トライアルのチューリップ賞(3月7日/阪神・芝1600m)を9着と惨敗。オークス出走を目指して挑んだ忘れな草賞(4月12日/阪神・芝2000m)も、見せ場なく8着に沈んだ。

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