【競馬】スプリンターズS、過去10年の結果から見えた「3頭の穴馬」 (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 次に、過去10年で大金星を挙げた3頭のうちの残りの一頭、ウルトラファンタジーに目を向けてみる。

 重要なポイントは、同馬が香港所属馬ということだ。香港は、競馬界の「スプリント王国」として知られる。世界的に見ても、スプリント戦線におけるレベルは高く、スプリンターズSでもウルトラファンタジーの他に、サイレントウィットネス(せん)が2005年に1番人気に応えて優勝している。

 前述したとおり、今春も香港馬エアロヴェロシティが高松宮記念を制した。つまり、香港馬が出走してきた場合、実績があればもちろんのこと、たとえ実績が乏しく、事前の評価が低くても、無条件にマークしたほうがいい、ということだ。

 そして今回も、香港から一頭参戦する。リッチタペストリー(せん7歳/父ホーリーローマンエンペラー)である。

 同馬は、エアロヴェロシティやサイレントウィットネスほどの実績があるわけではない。その分、前評判は高くないものの、同馬は昨年10月、アメリカのGIサンタアニタスプリントチャンピオンシップS(10月4日/アメリカ・ダート1200m)を制覇。その際、1分7秒59という芝レース並みの勝ちタイムを記録している。近走は際立った成績を収めていないが、日本の硬い芝に対応できる可能性はある。ウルトラファンタジーの再現があっても不思議ではない。

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