【競馬】話題の新種牡馬、ヴィクトワールピサ産駒の「有望株」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

「兄のミッキーアイルと比べて、ダノンスパークはふた回りほど大きいですね。セレクトセールの頃から見栄えがすごくよかったです。実際に走らせてみると、兄よりも柔らかい感じがします。とてもしなやかな動きをしますね。性格面では、兄よりおとなしい印象です」

 兄ミッキーアイルの馬体重は、470kg〜480kg台ほど。そして3歳までは、スタートから果敢に飛ばす勝ち気な性格が特徴的だった。一方、弟のダノンスパークは、2歳の春時点で530kgを超える雄大な馬体の持ち主。また、性格的にも、兄ほどスタートからガツンと前に行くタイプではないようだ。この辺りは、父が変わった影響が強いのかもしれない。

 それでも、ダノンスパークの育成を行なっていると、兄弟での共通点を垣間見る瞬間もあるという。犬伏氏が続ける。

「少し速い時計で走らせてみると、ハミ(馬の口にかけた金属製の道具)から伝わる感触には、この血統の"らしさ"を感じます。スピード豊かな兄と同様、短距離戦が得意になってもおかしくないでしょうね」

 育成期間で順調に成長したダノンスパークは、先日、栗東トレーニングセンター(滋賀県)に移動。兄と同じく、音無秀孝厩舎に入厩した。デビューへ向けて、着々とステップを踏んでいる。

 兄にGI馬ミッキーアイルを持つダノンスパーク。ファンはもちろん、関係者からも、新種牡馬ヴィクトワールピサの、初年度代表産駒としての活躍が見込まれている。兄を超え、そして父をしのぐほどの飛躍が果たせるか、デビューのときが待ち遠しい。

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