【競馬】安田記念、能力全開!モーリスの勢いには逆らえない (2ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Nikkan sports

 しかし、この時期の東京芝コースにおいて、ディープインパクト産駒は苦戦の傾向が強い。安田記念で使用されるCコースは、先週のダービーウィークから使われている。5月30日と31日の両日で、20頭が東京競馬場の芝のレースに出走したが、勝利を挙げたのはわずかに1頭。ディープインパクト産駒がデビューしてから2015年5月31日までの、中央競馬の芝・平地競走における勝率が14%を超える(5748戦814勝)ことを考えると、あまりにも物足りない。

 さらに、安田記念に限定すると、これまで延べ13頭が出走して、[1-0-1-11](左から1着-2着-3着-4着以下)。こちらも勝率7.7%と、アベレージの半分近くということがわかる。昨年も7頭が出走して最高はダノンシャークの4着だった。

 ちなみに、昨年は不良馬場が影響したという意見もあるが、ディープインパクト産駒は重・不良でも勝率14.3%(348戦50勝)と、意外にも馬場状態を問わないことから、不良馬場だったことは関係ないと言える。原因は特定できないが、この時期の東京コースで、ディープインパクト産駒を絶対視するのは禁物だ。

 そこで、主力とも思えるディープインパクト産駒を軽視することで浮上してくるのが、前走のGIIIダービー卿チャレンジトロフィー(4月5日/中山・芝1600m)で初重賞勝利を挙げ、目下3連勝中と勢いのあるモーリス(牡4)だ。特に、そのダービー卿チャレンジトロフィーは圧巻のひとこと。出遅れ気味のスタートを切りながら、後半3ハロン11秒6-11秒7-10秒9という早い流れを、脅威の斬れ味であっという間に2着以下に3馬身半差をつけた。

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