【競馬】激戦のオークス、東京合うクイーンズリングが不気味 (2ページ目)

 非凡な決め手を持つミッキークイーン(牝3歳)も、心惹(ひ)かれる存在です。桜花賞は抽選漏れで出走できませんでしたが、同日行なわれた忘れな草賞(4月12日/阪神・芝2000m)を勝って、無事オークスへの出走が叶いました。結果的には、あの極端なペースの桜花賞に出走しなくてよかったかもしれません。

 陣営としては、当初からここ(オークス)が大目標だったのではないでしょうか。クイーンC(2着。2月14日/東京・芝1600m)で長距離輸送とコースを経験させて、そこから桜花賞に直行というローテーションを組んだあたりからも、そうした雰囲気がうかがえます。その間(クイーンCと桜花賞の間)に一戦を挟むと、オークスまでの余力がなくなってしまいますからね。

 また、あの強烈な末脚は東京でこそ、生きるはず。ルージュバックとの決め手争いは、見応えがありそうです。

オークスでは桜花賞以上の走りが期待できるクイーンズリング。オークスでは桜花賞以上の走りが期待できるクイーンズリング。 さて、このレースの「ヒモ穴馬」ですが、特殊なレースとなった桜花賞で4着と、よく走ったクイーンズリング(牝3歳)を取り上げたいと思います。

 桜花賞では、やや後手を踏んだスタートから、道中は最後2着に突っ込んできたクルミナル(牝3歳)とほぼ同じ位置取りでした。しかし直線では、内(7枠13番クイーンズリング)、外(4枠7番クルミナル)逆になって、クイーンズリングはかなり窮屈なところに入ってしまい、伸び負けてしまいました。さらに小柄で、飛びの綺麗なこの馬にとっては、「良」発表ながら緩い馬場だったことが影響したと思います。

 今回は、阪神よりも馬場の軽い東京。この馬もまた、長くいい脚を使うので、東京コースでこそ、より力を発揮しそうです。1400m戦のフィリーズレビュー(3月15日/阪神)を勝っていることで、短距離志向に見られているようですが、もともとデビュー戦は1800m戦(1着)でした。柔らかくロスの少ない走りをするタイプですし、距離に不安はないと思います。

 鞍上も、引き続き「名手」のミルコ・デムーロ騎手。巧みな騎乗で上位を脅かしてくれるのではないでしょうか。楽しみです。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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