【競馬】皐月賞、過去の伏兵馬と類似する「4頭の穴馬」 (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

毎日杯を勝って皐月賞に挑むミュゼエイリアン。毎日杯を勝って皐月賞に挑むミュゼエイリアン。 そして今年も、前走で白星を挙げて底力を示しながらも、ややインパクトに欠ける存在で、「人気の盲点」になりそうな先行馬がいる。ミュゼエイリアン(牡3歳/父スクリーンヒーロー)である。

 前走のGIII毎日杯(3月28日/阪神・芝1800m)を勝って、皐月賞の最終切符を手にしたミュゼエイリアン。2着とはわずかに「ハナ差」だったものの、一緒に先行していたライバルたちが崩れる中、同馬だけが最後まで粘り通した。その底力は高く評価できる。皐月賞でもうまく先行できれば、毎日杯の再現を果たしてもおかしくない。

 さらにもう一頭、同じパターンで浮上するのが、スピリッツミノル(牡3歳/父ディープスカイ)だ。初勝利までに8戦を要した同馬だが、その後は、逃げのスタイルで目下3連勝中。前走では、オープンのすみれS(3月1日/阪神・芝2200m)を逃げ切っている。

 これまでは相手のレベルが低かった可能性もあるが、それでも3連勝というのは、簡単には実現できないもの。また、すみれSで3着に退けたワンダーアツレッタ(牡3歳/父エンパイアメーカー)がその後、若葉Sで2着に入って皐月賞の出走権を獲得。スピリッツミノルにも力があることを証明した。展開さえ向けば、大駆けがあっても不思議ではない。

 一方、2008年に波乱を演出したキャプテントゥーレは、前述の2頭と違って、直前のGII弥生賞(中山・芝2000m)では4着と敗れている。しかし同馬は、2歳時にGIIデイリー杯2歳S(京都・芝1600m)を制覇。GI朝日杯フューチュリティS(以下、朝日杯FS。中山・芝1600m)でも3着と健闘していた。同馬も一定の底力を過去に示しており、本番では展開の助けが加わって、栄冠につながったと言える。

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