【競馬】皐月賞、過去の伏兵馬と類似する「4頭の穴馬」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 過去10年の皐月賞において、単勝6番人気以下で勝利した馬は、以下のとおりである。

◆2006年=メイショウサムソン(6番人気=単勝1450円)
◆2007年=ヴィクトリー(7番人気=単勝1730円)
◆2008年=キャプテントゥーレ(7番人気=単勝1710円)

 奇しくも、3年連続で伏兵が台頭した皐月賞。そのレースを振り返ると、明らかな共通点を見つけることができる。それは、勝ち馬が3頭とも、先団でレースを運んだことだった。

 メイショウサムソンは、最終コーナー3番手から抜け出して勝利。ヴィクトリーは2コーナーで先頭に立つ形になると、そのまま押し切った。そしてキャプテントゥーレは、好スタートからハナに立って逃げ切り勝ちを収めた。

 中山競馬場のコース形態から、やはり金星を挙げるのは、前に行ける馬。逆転候補は今回も、逃げ馬、もしくは先行馬からピックアップすべきだろう。ただし、前に行ければどの馬でもいい、というわけではない。皐月賞で先行して押し切るには、それなりの底力が必要となる。その証拠に、前述の3頭は底力を裏づけるだけの"実績"があった。

 まず、メイショウサムソンとヴィクトリーは、前哨戦をきっちり勝利。メイショウサムソンはGIIスプリングS(中山・芝1800m)、ヴィクトリーは若葉S(阪神・芝2000m)と、それぞれ皐月賞トライアルを快勝して本番に臨んでいるのだ。

 皐月賞の出走権がかかったレースを勝つには、馬の地力がなければできないこと。事実、メイショウサムソンは、その後の日本ダービー(東京・芝2400m)まで制している。にもかかわらず、評価が上がらなかったのは、おそらく2頭とも、強烈な末脚を生かすような、派手な存在ではなかったからだろう。その分、「人気の盲点」になったと言える。

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