【競馬】有馬で今年最後の衝撃を起こすのは、ラストインパクト (2ページ目)

 ジェンティルドンナも気になります。年齢的な衰えや、出来の善し悪しを除けば、出走馬の中では、一番強い馬だと思っています。というのも、競馬で最も重要とされる折り合いがつきやすく、スタートが速くてスムーズだからです。このふたつの武器を持っているということは、好スタートから好位をキープして自分のリズムで競馬ができるということ。能力のある馬にそんな競馬をされたら、他の馬が勝つのは非常に困難です。

 今やピークを過ぎた感があることは否めないですし、初の中山というのも懸念されますが、個人的には応援したい一頭です。

 さて今回、「ヒモ穴馬」として狙ってみたいのは、出走メンバー中、唯一GIでの連対経験がない、ラストインパクト(牡4歳)です。

勢いのあるラストインパクト。豪華メンバーの中でも一発が期待できる。勢いのあるラストインパクト。豪華メンバーの中でも一発が期待できる。 GI実績では確かに一枚"格落ち"と言えますが、そもそもデビュー当時は「クラシック候補」と言われていた素質馬。ここまで時間はかかりましたが、ここ2戦を見る限りはひと皮むけた印象で、完成された雰囲気があります。

 母スペリオルパールは、GI3勝のビワハヤヒデ、三冠馬ナリタブライアンの半妹。その血統背景を鑑(かんが)みれば、ますます食指が動きます。

 鞍上は、初騎乗となる菱田裕二騎手。デビュー3年目の若手騎手で、有馬記念の騎乗も初めてです。最後の大舞台で雰囲気にのまれないか心配されますが、今年はタガノグランパ(牡3歳)の手綱を取って、日本ダービー(4着)をはじめ、菊花賞(4着)、マイルC(10着)と、大きなGIの舞台も経験済み。それを糧にして"一発"狙ってほしいものです。

 ところで、余談ですが、今回はラストインパクト、ジェンティルドンナなど、計7頭のディープインパクト産駒(以下、ディープ産駒)が出走予定です。この秋は、6つのGIでディープ産駒が勝利。まさにディープ産駒が競馬界を席巻していると言っても過言ではありません。しかし、この有馬記念では、勝ち星はおろか、過去に出走した馬が一頭(2013年、ダノンバラード15着)のみ。決して相性がいいGIとは言えないようです。

 そして、すでに気づいていらっしゃる方もいると思いますが、この12月の中山開催で、平地の芝コースで行なわれた計33レースで、ディープ産駒はなんと0勝なんです。出走頭数は22頭と、それなりに出走しているだけに驚きです。もしかすると、ディープ産駒にとって、中山芝コースは"鬼門"なのかもしれません。今回の有馬記念では、何とかその"ジンクス"を打ち破ってほしいのですが......。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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