【競馬】影薄いディープ産駒。阪神JFで示される「ハーツ時代」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 今夏からデビューした2歳牝馬が覇を競う、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF。阪神・芝1600m)が12月14日に行なわれる。

 有力馬としてまず挙げられているのは、レッツゴードンキ(父キングカメハメハ)。デビューから3戦してすべて3着以内、しかも2戦目のGIII札幌2歳S(9月6日/札幌・芝1800m)では、牡馬相手に僅差の3着と健闘した。加えて、そのレッツゴードンキを、前走のGIIIアルテミスS(11月1日/東京・芝1600m)で下したココロノアイ(父ステイゴールド)。道中引っ掛かりながらも勝ち切った勝負強さには、目を見張るものがある。

 他では、目下2連勝中のショウナンアデラ。その勢いとディープインパクト産駒(以下、ディープ産駒)ということで、高い評価を得ている。

 それにしても、近年盛隆を極め、大舞台においては上位独占さえ珍しくないディープ産駒がこの一頭のみ、というのはやや物足りない気がする。昨年もディープ産駒はハープスター(牝3歳)だけの出走だったが、同馬は絶対的な本命馬だった(結果は2着)。その分、ディープ産駒の影の薄さを感じることがなかったのかもしれない。が、今年は違う。ショウナンアデラはあくまでも「チャンスがある」有力馬の一頭に過ぎない。結果、ディープ産駒の存在感が薄れて、他の産駒の台頭を強く予感させるのだろう。

阪神JFで2歳牝馬の頂点を狙うコートシャルマン。阪神JFで2歳牝馬の頂点を狙うコートシャルマン。 そこで浮上するのは、デビュー2戦2勝のコートシャルマン。父は、現役時代にディープインパクトの宿敵だったハーツクライだ。

 無敵を誇ったディープインパクトが国内で唯一敗れたのが、2005年のGI有馬記念(中山・芝2500m)。そのレースを制したのが、まさしくハーツクライだった。

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