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【競馬】秋華賞、レーヴデトワールが偉大な姉の無念を晴らす (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

「春当時のレーヴデトワールは、道中引っかかるし、勝負どころで苦しくなると、頭を上げる欠点がありました。それで(長い)距離が持たなかったんですが、紫苑Sではそうした課題がかなり克服されていましたね。最後、叩き合いをしのぎ切るという、勝負根性も見せました。減っていた馬体重も、輸送によるものですから、まったく心配ないでしょう。次(秋華賞)は体重も戻っていると思いますし、春に比べて成長しているのは、間違いありません」

 着実に力をつけてきたレーヴデトワール。秋華賞に向けて期待が膨らむが、懸念されるのは、レーヴデトワールが勝った紫苑Sをステップにして秋華賞を勝った馬がいないこと。過去10年で見ると、3着以内さえ一頭もいない。勝ち馬も、上位馬も、大半がトライアルのローズS(9月21日/阪神・芝1800m)組が締めているのだ。今年も大本命のオークス馬、ヌーヴォレコルト(牝3歳)をはじめ、有力馬のほとんどはローズS組である。

 だからといって、競馬はデータがすべてではない。京都の内回り2000mというトリッキーなコースでは、過去にも前例を覆(くつがえ)すような波乱が数多く起きている。距離は1600mだが、その京都内回りコースで2戦2勝という実績を持つレーヴデトワールが、その波乱の使者になってもおかしくない。再びトラックマンが語る。

「京都内回りのコース形態だと、レーヴデトワールはうまく脚をためられるのでしょう。コース適性がモノを言うレースで、それは大きな武器です。内枠をひいて、これまでのように脚をためることができれば、十分に勝ち負けできると思います」

 はたしてレーヴデトワールは、偉大なる姉が成し遂げられなかった夢をかなえることができるのか。大一番で、姉にも勝る末脚が炸裂することを期待したい。

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