【競馬】ヴィクトリアマイル、混戦を断つのは「器用」なウリウリ (2ページ目)

 もうひとつ、気になることがあります。鞍上の武豊騎手です。

 天皇賞・春(5月4日/京都・芝3200m)では1番人気のキズナに騎乗して、レース中に骨折というアクシデントがあったにしろ、結果として4着に敗れました。続けて、5月11日のNHKマイルC(東京・芝1600m)では有力馬の一頭サトノルパンに乗って9着と惨敗。同馬はデビューから小牧太騎手がずっと手綱をとってきた馬で、乗り替わりの重大さは武豊騎手も重々承知していたはずです。にもかかわらず、スタートと同時にかかって、能力を出し切れぬままレースが終わってしまいました。あの内容はとても残念でしたね。

 そうした状況を見る限り、現在の武豊騎手の"リズム"はどうも今ひとつのような気がします。勝負事においては、いいときもあれば、悪いときもあります。騎手という職業も同じで、どうしても悪い"流れ"が来るときがあります。名手ですから、そうした状況から抜け出す対処法を心得ていると思いますが、少し心配ですね。

 一昨年の優勝馬で、昨年も2着と好走したホエールキャプチャ(牝6歳)も有力馬の一頭です。スマートレイアーとの「芦毛対決」といった形でも注目を集めていますね。

 ヴィクトリアマイルでの実績はもちろんのこと、ホエールキャプチャは前走の東京新聞杯(2月17日/東京・芝1600m)でも、エキストラエンド(牡5歳)をはじめ、クラレント(牡5歳)やコディーノ(牡4歳)など、重賞勝ちのある強力牡馬を一蹴。東京のマイル戦は、本当によく走ります。

 とはいえ、東京新聞杯は、一度雪で中止になって翌週に順延されたレース。関西馬は、2度の長距離輸送を強いられたうえ、交通事情が悪くて通常の2倍以上もの輸送時間がかかった経緯があります。そうした事情を考えると、関東馬のホエールキャプチャが勝った結果を、額面どおりに評価していいかどうかは微妙なところです。

 もう一頭、昨年の3歳牝馬戦線で二冠(オークス、秋華賞)を獲得し、エリザベス女王杯も制したメイショウマンボ(牝4歳)も、その実績からして無視できない存在です。

 しかし同馬は、前走・大阪杯(4月6日/阪神・芝2000m)の負け方が引っかかります。

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