【競馬】若き「女傑」ハープスターは絶対的な存在なのか

 前出のイスラボニータだけでなく、5着のマーブルカテドラル(牝2歳)が、新潟2歳S以降、芙蓉S(9月28日/中山・芝1600m)、重賞のアルテミスS(11月2日/東京・芝1600m)と立て続けに勝利。加えて、3着のピークトラム(牡2歳)や、4着のウインフェニックス(牡2歳)も、その後は強敵相手に好走しています。

 おまけに、8着のモズハツコイ(牝2歳)は、重賞のファンタジーS(11月9日/京都・芝1400m)で2着。10着のアポロスターズ(牡2歳)までもが、オープンのカンナS(9月17日/中山・芝1200m)で勝利を挙げて、レースレベルの高さを証明しています。ハープスターに負けた馬たちの、そうした実績を考えると、今回は彼女を最上位と見るべきでしょう。

 他では、ホウライアキコが面白い存在です。小倉2歳Sで負かした2着ベルカント(牝2歳)がファンタジーSを勝ち、3着ラブリープラネット(牡2歳)も重賞の京王杯2歳S(11月9日/東京・芝1400m)で僅差の3着と好走。実力上位であることは間違いありません。

 それに、底知れない能力を感じるレッドリヴェールも侮れませんね。彼女たちがハープスター相手にどんな競馬を見せてくれるのか、本当に楽しみです。

過去の阪神JFで姉たちが活躍している、良血レーヴデトワール。過去の阪神JFで姉たちが活躍している、良血レーヴデトワール。 さて、今回の「ヒモ穴馬」には、かつてこの阪神JFで2着だったレーヴダムール(2007年)、見事な勝利を飾ったレーヴディソール(2010年)を姉に持つ、レーヴデトワール(牝2歳)を取り上げたいと思います。

 血統的な背景から、レーヴデトワールにはデビュー戦から注目していました。ただ、2頭の姉と比べると、完成度に差があったようで、新馬戦(10月5日/京都・芝1600m)のレースぶりはかなり幼かったですね。勝つには勝ったのですが、その素質をフルには発揮し切れずに、「よく勝ったなぁ」というのが正直な印象でした。

 それから迎えた3戦目、前走の白菊賞(11月24日/京都・芝1600m)では、バランスのいい走りになっていました。レース内容も良く、先行馬が有利とされる、京都の内回りコースを大外から豪快にまくって勝利しました。少しだけ、姉のレーヴディソールを彷彿とさせるものがありましたね。

 まだまだ馬は成長途上です。それでも、一戦ごとに良くなっていることは間違いありません。偉大なる姉の域までは達していないかもしれませんが、馬券対象(3着以内)に飛び込んでくる可能性は十分にありそうです。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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