【競馬】クイーンSはキャトルフィーユ。格上挑戦も軽視禁物
ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」
函館競馬場で3週連続の重賞が開催されます。7月28日に行なわれるのは、牝馬限定のクイーンS(函館・芝1800m)です。例年、札幌で開催されるレースですが、競馬場の改築工事のため(2014年6月まで)、今年は函館で行なわれることになりました。
3歳時にはオークスや秋華賞にも出走し、もともと評価の高かったキャトルフィーユ。
7週目を迎えた函館開催。今週も先週と同じ仮柵のあるBコースが使用されます。その先週のレースを振り返ると、コースの内側をついて、馬込みをさばいてきた馬が軒並み好走していました。函館2歳Sでも、勝ったクリスマス(牝2歳)こそ、スピードの違いで外枠をものともしませんでしたが、2着のプラチナティアラ(牝2歳)は1番枠の利を最大限に生かした競馬で連対を確保。3着のトーセンシルエット(牝2歳)も、直線はやや外目を伸びてきたとはいえ、道中はインコースでうまくレースを運んだことが功を奏しました。
開幕週ほど極端ではありませんが、まだまだ馬場状態はよく、外目でレースを運ぶより、内目で我慢のできる競馬をしたほうがやや有利だったと思います。それは、今週も変わらないのではないでしょうか。
さて、今年のクイーンSは、出走予定が8頭と少頭数になりました。それでも、昨年の覇者アイムユアーズ(牝4歳)や、前走のマーメイドS(6月9日/阪神・芝2000)を勝って復活を果たした一昨年の桜花賞馬マルセリーナ(牝5歳)など、実績馬がエントリー。秋に向けて、その動向が気になる面々がそろいました。
さらに、関東リーディング首位の内田博幸騎手(今開催から北海道を主戦場にする予定のようです)と2位の戸崎圭太騎手に、関西からはリーディング4位の川田将雅騎手と、東西のトップジョッキーが参戦。レースのカギを握るコース取りを含めて、北海道を主戦場にしているジョッキーたちとのせめぎ合いも見応えがありそうです。
そんな中、最も注目したいのは、内田騎手が手綱を取るオールザットジャズ(牝5歳)です。
デビューは3歳(2011年)の4月と遅かったのですが、秋には果敢にGIエリザベス女王杯に挑戦した素質馬です。エリザベス女王杯ではさすがに大敗を喫しましたが、その経験がその後の大きな糧となりました。順調に出世して、4歳(2012年)春には重賞の福島牝馬S(4月21日/福島・芝1800m)を制覇。直後のヴィクトリアマイル(5月13日/東京・芝1600m)では2番人気に支持されたほどでした。
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