【競馬】二冠達成なるか!? ロゴタイプに託された「血の運命」

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Nikkan sports

クラシック第1弾の皐月賞を快勝し、一冠目を手にしたロゴタイプ。クラシック第1弾の皐月賞を快勝し、一冠目を手にしたロゴタイプ。東京優駿「3強物語」(3)
ロゴタイプ編

 1着=1000万円、2着=6000万円、3着=6000万円。

 クラシック第1弾の皐月賞は、勝ったロゴタイプが社台オーナーズクラブ、2着のエピファネイアはキャロットクラブ、3着のコディーノがサンデーサラブレッドクラブと、共有馬主あるいは愛馬会法人の所有馬が上位3頭を占めた。前述した金額は、その3頭が1歳時に共有オーナーとなる出資者を募集した際のそれぞれの総額だ。主に血統を判断材料に、1歳時点での期待値を金額として表したものと言っていいだろう。

 きら星のような社台オーナーズクラブの募集馬の中において、ロゴタイプの1000万円というのは、牡馬としては極めて安い部類に属する。エピファネイア、コディーノの6000万円という数字と比べると、その印象は一層強くなる。エピファネイアは天皇賞・秋と有馬記念を連覇したシンボリクリスエスを父に、日米オークスの勝ち馬シーザリオを母に持つ良血馬。コディーノも同様で、名牝シンコウラブリイを叔母に持ち、母ハッピーパスも重賞勝ち馬で、父は次々に活躍馬を送り出しているキングカメハメハ。そんな2頭と差があるのは無理もない。

 確かにロゴタイプは、父であるローエングリンがフランスのGIムーラン・ド・ロンシャン賞で2着という成績はあるものの、重賞勝ちはGⅡ4勝止まりで、GI勝利がない。母のステレオタイプも、地方競馬で2勝したのみ。一見すると強調材料に乏しい。

 しかし、地味に見えるその配合には、生産者であり、オーナーでもある社台ファーム代表・吉田照哉氏の、ひとつの意地のようなものを垣間見ることができる。

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