【競馬】中山牝馬S、波乱の使者は内田騎手が操るオメガハートランド (2ページ目)

 そこで今回の「ヒモ穴馬」ですが、候補馬が2頭いて、どちらにするか迷いました。

 一頭は、スマートシルエット(牝6歳)です。ここまで重賞勝ちはなく、一見格下に見えますが、昨秋の府中牝馬Sでは前出のマイネイサベルの2着。決め手の差で敗れましたが、終始2番手を追走し、自ら勝ちにいくレースをしたことを考えれば、実はこの馬のほうがマイネイサベルより強い競馬をしたように思えます。

 それでも結果は2着ですから、今回のハンデは54kg止まり。マイネイサベルとは2kg差もあるので、逆転は可能なのではないでしょうか。

 また、3カ月ぶりの前走・東京新聞杯(2月3日/東京・芝1600m)でも、府中牝馬Sと同じように自ら仕掛けていって、坂を上がったところでは「勝ったか!?」と思わせるほどの手応えでした。最後は久々の分と、強い牡馬が相手だったことで差されてしまいましたが(6着)、内容は上々でした。今回は、距離が1ハロン(200m)延びるのも歓迎ですし、重賞とはいえ牝馬限定メンバーですから、十分勝ち負けになると思います。

 もう一頭は、スマートシルエット同様、ハンデ54kgで出走するオメガハートランド(牝4歳)です。ちょうど1年前、中山牝馬Sと同じコース設定の重賞フラワーC(中山・芝1800m)を制覇。その後は、桜花賞、オークスとクラシックに参戦し、秋もトライアルから秋華賞に臨んで3歳牝馬の王道を歩んできました。そうしたトップレベルの経験実績を考えれば、格上の存在と言えます。

 もし早熟タイプであれば、話はそこで終わってしまいますが、初の古馬との対戦となった昨年末のターコイズS(12月2日/中山・芝1600m)で2着と好走。時計が速く、差し馬には厳しい上がりの速い展開ながら、大外からあわや差し切るかという勢いで、一頭だけ豪快に伸びてきました。非常に内容の濃い競馬で、伸びしろがあることを証明して見せました。さらに、勝った馬がその後、牡馬相手のオープン特別・洛陽S(2月17日/京都・芝1600m)で楽勝したサウンドブハート(牝4歳)だったというのも、強調すべき材料になるでしょう。

 このように、スマートシルエットとオメガハートランドはともに魅力的な存在なのですが、今回のオメガハートランドの鞍上は内田博幸騎手です。先日の弥生賞では、カミノタサハラに騎乗して見事な勝利を飾りました。コディーノやエピファネイアを振り切った、冴え渡る手綱さばきは圧巻でした。

 その勢いを加味して、「ヒモ穴馬」には、オメガハートランドを指名します。内田騎手は本当に頼りになるジョッキーで、今回も華麗な"エスコート"でオメガハートランドを勝利に導いてくれるのではないでしょうか。

前走大敗でもここが絶好の買い時!オメガよりも人気薄必至!
大西直宏も唸った中山牝馬Sの穴馬Jokerを無料公開!!

プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る