【競馬】大混戦の阪神JF。牝馬クラシック戦線の「本命」は現れるのか

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan Sports

阪神JFで上位人気が予想されるコレクターアイテム。阪神JFで上位人気が予想されるコレクターアイテム。 12月9日に開催される阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)。2006年にウオッカが勝って以来、同レースでは、その年の「2歳女王」と呼ぶにふさわしい強さとスケールを持った馬が勝ってきた。

 昨年のジョワドヴィーヴルと一昨年のレーヴディソールは、故障でクラシックには出走できなかったものの、このレースを勝った時点では牝馬クラシックどころか、ダービー出走が話題になったほどで、それ以前の勝ち馬も、ウオッカをはじめ、トールポピー(2007年)、ブエナビスタ(2008年)、アパパネ(2009年)は、いずれものちにクラシックを制して「名牝」と呼ばれるまでになった。

 今年も、そうした馬の登場が期待されるが、現状では全体的に「小粒」という印象が強く、多くの競馬関係者が「今年は、本当に混戦だねぇ」と口をそろえる。

 もちろん、上位人気が予想される実績馬はいる。東京の新設重賞アルテミスSを勝ったコレクターアイテム(父ハーツクライ)を筆頭に、阪神JFへの重要なステップレースとなるファンタジーSを制したサウンドリアーナ(父ケイムホーム)、そして牡馬トップレベルのフラムドグロワールを芙蓉Sで退けたサンブルエミューズ(父ダイワメジャー)などは、レースセンスもあり、「2歳女王」を争うにふさわしいレベルにある。彼女らが勝ち馬となって、その後、「名牝」への道を進む可能性はあるだろう。

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